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ニッポンの社長 > インタビュー > 編集者オススメ記事 > 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル) 名誉会長 羽鳥 兼市

※下記は経営者通信36号(2015年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

ニュージーランドでは 新人が月40台を販売した

― 海外戦略について教えてください。

 現在、アメリカ4店舗、タイ5店舗、ニュージーランドとオーストラリアで各1店舗を展開中です。

 海外ではそれぞれ現地の事情が異なるため、当社の「買い取ってオークションで売る」ビジネスモデルをそのままもっていっても通用しません。そのぶんやりがいもあるので、じっくりと方策を練っていこうと考えています。

 ただ、昨年11月に初めて進出したニュージーランドは、すでに売れ行き好調です。

― 要因はなんですか。

 日本の中古車輸出先として上位に入る主要市場であり、当社のビジネスモデルがマッチしたからです。ニュージーランドは日本と同じ右ハンドルで、中古車の輸入の95%くらいが日本から。おまけに関税も免除されている。もともと売れる要素はあったのです。

 なかでもいちばん売っているのは、アルバイトで入って正社員になったマレーシア出身の26歳の女性。車の素人なのに「ドルフィネット」の使い方を説明しただけで毎月コンスタントに販売数を増やし、今年の3月に40台を売り上げたんです。ディーラーで、月40台をひとりで売ろうと思ったら大変ですよ。

 今後は右ハンドルのオセアニアを中心に、海外での拡大を進めていきます。

実現不可能な目標ほどワクワクする

― 最後に、中小・ベンチャー企業の経営者にアドバイスをお願いします。

 経営でいちばん大事なのは、ロマンをもつことです。極端な話、システムやビジネスモデルなんかは二の次でいいんです。だれでもできることをやっても面白くないでしょ。それはスポーツでも一緒。100mを30秒で走ってもつまらない。どうせやるなら10秒を切るくらいをめざしていかないと。それがロマンです。

 不可能と思えることほど、挑戦しがいがありますからね。実現困難な理由を「不景気だから」「消費増税だから」とか、外部のせいにしてもただの言い訳にすぎません。向かい風に対して「もうムリだ」とあえいでいる人と「どうやって乗り切ってやろうか」とワクワクしている人では、結果も異なるはずです。

 私の場合は、世界の頂点をめざすという夢を夢で終わらせたくなかった。そのため「絶対にやるよ」って言いきってここまできた。だからあとはやりきるだけなんです。

■ 羽鳥 兼市 (はとり けんいち)

1940年、福島県生まれ。1959年に高校を卒業後、父親が経営する有限会社羽鳥自動車工業に入社。1966年、親族とともに自動車修理業などを手がける羽鳥総業を立ち上げるが、1976年に倒産。同年、中古車販売の東京マイカー販売株式会社を設立。1994年、買取専門の株式会社ガリバーインターナショナル・コーポレーション(現:株式会社IDOM)を設立、代表取締役社長に就任。同社は1998年に株式を店頭公開、2000年に東証二部、2003年に東証一部に上場を果たす。2008年、息子2人を同格の代表取締役社長とし、自らは名誉役会長に就任。現在、47都道府県に約450店舗、アフターサービスを充実させた超大型店の出店やサブスクリプションサービスなどのCaaS領域にも進出している。

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プロフィール

  • お名前羽鳥 兼市
  • お名前(ふりがな)はとり けんいち