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一般社団法人 日本グリーフ専門士協会 代表理事 井手 敏郎

悲嘆から立ち直り、いつか希望に変わるまで支えたい

人生において避けて通ることができない死別の哀しみ。大切な人との永遠の別れに直面して深い悲嘆に暮れる人は、今もこれからも決して減ることはない。誰もが経験する喪失の哀しみを哀しみだけで終わらせず、いつか希望に変わることを信じて関わる。そんな寄り添いのプロを養成するのが日本グリーフ専門士協会だ。代表理事の井手氏はアドラー心理学を軸にした独自の視点でグリーフケアを捉え、従来なかった新たな切り口でグリーフダイアログという概念を確立したグリーフ専門士の第一人者である。

― 協会の事業内容について教えてください。

 グリーフとは大切な人との死別や喪失体験による悲嘆のことです。当協会では、誰しも経験するそうした悲嘆と向き合うための講演、研修、スクールを開催しています。看護や介護の関係者、さまざまな業種や一般の方々に対して、悲嘆に寄り添うためのあり方を教える「グリーフケア研修」や「看取り研修」、心のバランスをとる方法を伝える「メンタルサポート研修」を行っています。

 さらに専門的なノウハウを身に着けたいという方々に向けて、「グリーフ専門士養成スクール」を設け、修了者に「グリーフ専門士」の認定資格を授与しています。2015年4月に協会をスタートして以来、半年で150名を超える方が専門士の資格を取得しています。

― グリーフ専門士の育成における特徴はどのような点でしょうか。

 グリーフケアの場合、悲嘆に暮れる方に対し、カウンセリング手法を中心に普通の生活に戻れるように支援することが少なくありません。

 当協会では、悲嘆から立ち直り、その人らしく生きられるように支援することはもちろん、心の中にあった人生の本当の望みに寄り添っていくことが特に大事だと考えています。さまざまな心理療法(セラピー)や効果的なコミュニケーション手法を活かし、深い想いや価値観をその人の心から引き出し、新たな気づきを得て頂くための関わりを意識しています。

 つまり、セラピー、カウンセリング、コーチングなどの要素を組み合わせ、「グリーフダイアログ」と呼ぶ、悲嘆を癒すための新たな対話の手法をお伝えしているのです。

 喪失体験を通して自分を見つめ直し、自分がどう生きたいのかに気づき、今までの人生以上に、自分が自分らしく生きられるように支えていく。無理のない形で、心の状態をマイナスからゼロに戻し、少しでもプラスに向けて頂けるアプローチを重要視しています。

― 死別の喪失感に苛まれる状況から、前向きな気持ちにしていけるものなのですか。

 それは可能です。まずその人が抱える痛みに深く寄り添うことによって、心の奥底にあるご本人も見落としていた気持ちに触れて頂きます。

 悲嘆の想いにはもしかしたら誰かに対する怒りがあるかもしれませんし、なぜ私を置いて……という悔しさがあるかもしれません。哀しみを十分吐き出すことができれば、さらに奥にある自分の想いに目が向けられるのです。死という大きな喪失体験は、見落としていた生きる意味や本当にやりたいことを強く認識する機会にできるということです。

 たとえば、仕事だけに邁進して頑張っていた人が突然奥さんを亡くし、罪悪感で身動きがとれないほど深刻な場合でも、自分が本当に大切にすべきものに気づいたり、社会奉仕的な活動に目覚めることは少なくありません。

 人の話を真剣に聴くのは容易ではありませんが、 一般的な傾聴の枠を超えた深いコミュニケーションで、新たな一歩を踏み出してもらう。本来の自分になるための本質的で深い対人支援の手法が、私たちのグリーフダイアログなのです。

著名経営者

  • エン・ジャパン株式会社

    越智 通勝
  • 株式会社ニトリホールディングス

    似鳥 昭雄
  • シダックス株式会社

    志太 勤
  • 株式会社ネクシィーズ

    近藤 太香巳
  • 京セラ株式会社

    稲盛 和夫
  • 日本食研ホールディングス株式会社

    大沢 一彦

プロフィール

  • お名前井手 敏郎
  • お名前(ふりがな)いで としろう
  • 出身東京都
  • 身長173cm
  • 体重62kg
  • 趣味合気道・柔術