ニッポンの社長

ニッポンの社長 > イマジン・グローバル・ケア株式会社 代表取締役 保健学博士 木下 弘貴

― 「ブロリコ」の開発経緯について教えてください。

 開発の大きな鍵になったのが、関水教授が発見したカイコを使って生物の持つ活性力を測定する方法でした。関水教授は、蚕の体に活性物質を投入すると、筋収縮が起こるということを発見しました。これは生物学の常識からすると非常に画期的なことです。この事実は、生化学分野で最も権威のある雑誌である“Journal of Biological Chemistry”に取り上げられました。

 カイコは基本的な体の作りや自然免疫系が人間と似ており、人間と同じ病気にかかり、同じ薬で治ります。また、実験動物としてマウスやラットなどの哺乳類を使うよりも数百分の一のコストで実験が行えます。つまり、数百倍の候補物質を試すことができるのです。

― それが実験を加速させることにつながったのですね。

 そうです。私たちは関水教授の発見を利用して、新しい健康成分の開発に取り組みました。アガリクスやメカブフコイダン、野菜など、何十種類もの候補を試しました結果、ブロッコリーを加工した成分に大変高い活性があることがわかったのです。最終的に活性が最も高かった「ブロリコ」をブロッコリーから発見するまでに数年を要し、そこから製品化するまでに5年の歳月がかかりました。東京大学と私たちは「ブロリコ」の抽出方法に関して、日本・アメリカ・欧州で国際特許を取得しています。

― 開発から販売までには様々な苦労があったとお聞きしています。そこには木下さんの並々ならぬ決意と信念があったと思われますが、振り返ってみていかがですか。

 世界で誰も成し遂げていないことだったので、全て大変でした。特に、「ブロリコ」の抽出技術は大変複雑で特殊な機器を要します。そのため、私自身、全国の様々な工場を訪ねたのですが、抽出できる工場がありませんでした。最終的には、1次抽出は自社工場を設立して行うことにしました。

 成分の開発期間が長期化し、かつ製造においても自社工場を作らなければならない状況になり、全国110店舗まで広げた薬局会社を売却して得た資金が2012年夏頃には底をついてしまいました。。最後には家族に頭を下げて借金をし、それでも資金が足りずカード会社からお金を借りるということもしました。その時は本当に生きている気がしませんでした。それでも、ブロリコは必ず成功すると信じて何とか苦しい時期を乗り越え、2013年にはブロリコの販売が大きく伸びたことで、ようやく新しい事業を軌道に乗せることができました。

著名経営者

  • 株式会社堀場製作所

    堀場 雅夫
  • 株式会社壱番屋

    宗次 德二
  • エステー株式会社

    鈴木 喬
  • 株式会社ニトリホールディングス

    似鳥 昭雄
  • 株式会社ジャパネットたかた

    髙田 明
  • 株式会社ディー・エヌ・エー

    南場 智子

プロフィール

  • お名前木下 弘貴
  • お名前(ふりがな)きのした ひろき
  • 出身東京都
  • 趣味トライアスロン、マラソン
  • 今までに訪れた国30ヵ国
  • 座右の銘一流の知性とは2つの相反することを同時に成り立たせる能力だ  by Scott Fitzgerald
  • 出身校早稲田大学、東京大学大学院