― 御社の事業内容を教えてください。

「淘宝（タオバオ）」は中国のアリババグループが運営する世界最大のECサイトです。当社では、立ち上げたECサイト「タオバオナビ」を活用して、日本のお客様に、「タオバオ」に出品された商品の購入を代行しています。

　また、このタオバオ以外にも、同じアリババグループのBtoBサイト「アリエクスプレス」や、他社のサイトも含め中国の主要なECサイトからの購入を代行しています。

　現在、タオバオの購入代行業を行なう企業は日本で約30社あり、多くが当社と同規模です。その中で唯一、当社がオークファン様と提携しています。2009年に、武永修一社長から声をかけていただき、提携することになったのです。当時、日本でタオバオの購入代行を行なっていたのは6～7社でした。当社はポップアップ機能の付いた日本語と中国語の翻訳システムを開発した上に、当社のサイトにタオバオとアリババグループに関する膨大な情報を掲載していたので、これらの取り組みに、オークファンが関心をもったのかもしれません。提携の効果は鮮明に現われ、当社のお客様の50％がオークファン様経由で購入を申し込んできています。

― サービス体制を教えてください。

　中国の深圳市に当社のパートナー企業があります。日系大手電子機器メーカーの現地工場で通訳と翻訳をしていた中国人が独立して設立した企業で、購入した商品はパートナー企業に集荷され、ここで数量や傷、色などの検品を行なってから日本に搬送しています。当社が日本で集客し、パートナーが買い付ける体制を組んでいるわけです。

― 「タオバオナビ」を立ち上げた経緯を教えてください。

　私は2000年頃からヤフーオークションのヘビーユーザーでした。自動車搭載用の防犯カメラを大量に購入して車のユーザーに売っていましたし、日常の買い物もほとんどヤフオクでした。一方、私は父親が創業した電気設備の保守管理会社を引き継いでいました。事業内容は、電気事業法に基づくオフィスビルや商業施設に設置されている変電設備の定期的点検です。点検では計測器を使って電圧などを調べるのですが、事業用の計測器は結構な価格がします。そこでタオバオで検索したら、同じ機能の計測器が日本製の10分の1の価格で出品されていた。試しに6台を購入したところ、すべて問題なく使用できたのでヤフオクに出品したところ、すぐに売れて差益を稼げました。さらに5台を購入してヤフオクに出品したら、今度もすぐに売れました。

　中国はメーカー数も多いですし、これはビジネスにできる。そう確信して、2006年に新会社として当社を設立したのです。そして、面識のあった深圳市の経営者と業務提携契約を結んで「タオバオナビ」を立ち上げました。