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MOVIDA JAPAN株式会社 代表取締役社長兼CEO 孫 泰蔵

起業しようぜ

アベノミクスではベンチャー企業の育成を目標に掲げている。実際、大規模な金融緩和によってベンチャーへの資金供給が増えつつある。しかし、MOVIDA JAPAN代表の孫氏は「いまの日本では砂漠に水をまくようなもの」と指摘。ベンチャーを輩出するには、「若い人たちが気軽に起業できる環境が不可欠」と提言する。インディゴやガンホー・オンライン・エンターテイメントを立ち上げた起業家であり、いまはスタートアップ企業を支援する同氏に、提言の具体的な内容を聞いた。

― いま、日本ではベンチャー企業へ回るおカネが増えています。しかし孫さんはその効果に懐疑的ですね。なぜですか。

 起業に失敗した人の再出発を支援する仕組みがないからです。

 起業家を輩出しているお手本として、米国のシリコンバレーがあります。そこでは多くの優秀な人材が起業にチャレンジする。たとえ失敗しても、「店じまいすることになった」といったとたん、すぐにどこかのベンチャー企業から声がかかります。「明日からウチで働いてよ」と。起業するようなアイデアと実行力をもった人材なら、どの企業もほしがる。会社が倒産しても、落ち込んでいるヒマなんかないんです(笑)。

 日本ではどうか。会社を倒産させた社長は、多額の債務を抱えてしまう。「失敗者」のらく印をおされ、企業も雇いたがらない。再起は非常に困難です。「起業するのはリスクが高い」と思う人が多いのも無理はない。だから、日本では優秀な人材は大企業に入ってしまい、起業しないんです。

― ベンチャー企業が輩出されない原因は資金不足ではない、と。

 ええ。これまでにも国はベンチャー企業への資金供給を増やしてきましたが、うまくいきませんでした。

 では、なぜシリコンバレーはベンチャーを輩出できるのか。それは、起業家がサバイバルできる仕組みがあるから。森の生態系にたとえて説明しましょう。森に雨が降ると、木々はその水を根から吸い上げて成長します。樹木がベンチャー企業。水がおカネです。1本の木が枯れても、ほかの木の養分になって活きる。つまり、失敗した起業家は別の企業に雇われて再起できるんです。

 それに比べたら、日本は砂漠みたいなもの。たまに1本、木が育ってきても、枯れてしまえば終わり。その枯れ木を養分にする樹木がまわりにないのですから。こんなところに、いくら水をまいたって砂にすいこまれるだけ。ムダになってしまうんです。

著名経営者

  • 株式会社ネクシィーズ

    近藤 太香巳
  • テンプスタッフ株式会社

    篠原 欣子
  • 株式会社インテリジェンス

    鎌田 和彦
  • 株式会社ワークスアプリケーションズ

    牧野 正幸
  • 日本食研ホールディングス株式会社

    大沢 一彦
  • 株式会社スタジオジブリ

    鈴木 敏夫

プロフィール

  • お名前孫 泰蔵
  • お名前(ふりがな)そん たいぞう