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ニッポンの社長 > 日清食品株式会社 創業者 安藤 百福

※下記はベンチャー通信9号(2003年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

【インタビュー後編】いつの時代も若者の正義感が社会を変革する

― 自分の判断に迷ったときは、どうするんですか。

 そういう時は、いろんな人の意見を聞くことです。私は壁にぶつかると、先輩や友人の意見を聞く。社員や幹部の話も、できるだけ聞くことにしています。

 また、だからと言って人の意見ばかり聞いて、自分の意見を持たないわけではありません。常識にとらわれない発想こそが、真の起業家の発想です。特に専門家の話もいいなりになってはいけない。私はむかし、工場で右手の薬指を切断する事故に遭いました。医者は、「もう骨が切れているから、指ごと切り取るしかない。そうしないと後の責任は持てません」と言う。でも私は「責任は自分で取るから、とにかく指を縫い付けてほしい」と説得した。

 おかげで今でも私の指はつながっています。この経験から、相手が専門家だからといって、なんでも鵜呑みにしてはいけないと考えるようになりました。

― 最後に起業家を目指す若者にメッセージを下さい。

 起業家にとって情熱も必要だけど、意外に大事なのは計数感覚です。相手と交渉しているときなど、一連の計算をピピッと瞬間的に頭の中ではじく。事業は全て計算です。起業家は、数字がしっかり頭の中に入っていなくてはいけません。だからそういう計数感覚も磨いておく必要があります。

 またいくら机の上で考え込んでいても、ビジネスは生まれません。現場で仕事をしながら、自分のアイデアを試して挑戦してみる。芽の出る仕事は3ヶ月か長くても半年もすれば分かります。儲からない事業に執着するのは、種のない土地に水と肥料をやるようなもんです。まったく意味がないし、人生の無駄です。そういう時は、撤退する勇気も必要なんです。

 最後に改めて強調しますが、人のやっていないことに挑戦することが大事です。素人の発想でいいから、まず実際にやってみる。目先にとらわれずに、いつも時代の先を読んで、未知の分野を開拓する。逆に素人だから飛躍できるチャンスがあるんです。なまじ知識がある人は、常識からはみ出した発想はできません。

 いつの時代も社会を変革するのは、若者の実行力、正義感です。若者のよさは、盛んな知識欲とひたむきな実行力。また徹底した正義感と、豊かな感受性、そしてたくましい闘争力です。これからの日本は、若い人が新しい事業を起こして未来を切り拓いていかないといけません。みなさんの挑戦を応援しています。頑張ってください。

■ 安藤 百福 (あんどう ももふく)

1910年(明治43年)、台湾に生まれる。1932年、22歳ときに台北市で繊維商社「東洋メリヤス」を設立。事業が当たって、翌年には大阪に進出。大阪では集荷・問屋業の「日東商会」を設立。しだいに事業を拡大し、関西で青年実業家として知られる。その傍ら立命館大学経済学科専門学部に入学し、卒業。戦後、大半の事業を戦災で失うが、1948年に食品商社「中交総社」を設立。その後、紆余曲折を経て、世界初の即席ラーメン「チキンラーメン」を発明。日清食品を創業する。1971年には「カップヌードル」を発売。1997年には世界ラーメン協会・初代会長に就く。安藤が創業した日清食品は現在、グループ年商3,000億円を超える大企業に成長した。

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プロフィール

  • お名前安藤 百福
  • お名前(ふりがな)あんどう ももふく
  • 出身台湾