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株式会社プロパリンク 代表取締役 澤村 恒星

郊外の物件に的を絞り「顔の見える営業」で不動産流通を活性化

昨今、金融緩和政策等の影響により、都心部や一部の地方都市では不動産の売買取引が活発化する一方、郊外の地域では、物件を売却したい人と、購入したい人のニーズが上手く噛み合わずに、既存物件の流動化が遅々として進んでいない。他方、新規建築については、多くのデベロッパーが相続税対策等の切り口から地主への営業攻勢を強めていることから、入居需要以上にアパート等が供給されてしまうことによる「空き家問題」が深刻化している。こうした中、郊外の物件に的を絞り、売主と買主を独自のルートで開拓し、不動産流通を促進させているのがプロパリンクである。同社代表の澤村氏に、事業化の経緯やビジョンなどを聞いた。

― まずは事業内容を教えてください。

 当社では、東京23区や地方都市の中心部には目を向けず、あくまでも郊外のエリアに的を絞って、地主様から直接不動産を買い取り、付加価値をつけた上で再販売する事業を手掛けています。

 郊外の物件に的を絞るのには理由があります。流動性の低い郊外の土地・建物に対しては、これまで地主様に対してダイレクトに売却等の提案を行う会社が少なく、また、購入希望者に関する情報の蓄積も乏しかった為、「売りたい人」と「買いたい人」のニーズをスムーズにマッチング出来ない問題がありました。

 その一方で、新規建築や建替えについては、既存の建築会社が地主様に対して積極的な土地活用の勧誘を行っているので、「すでに十分な量の既存物件があるにもかかわらず、アパート等の新規建築が止まらない」現象が発生しています。

 しかし、空洞化が進み、空き室が増え続けている郊外の地域にこそ、物件を手放したいと考えている地主様は多く、潜在的な売却需要があります。そこで当社では、地場の事業会社や、都内の不動産投資家などの購入ニーズに関わる情報を日々蓄積することで、地主様の売却ニーズに応えられる仕組みを作っているのです。

― 御社の特徴や強みはどこにありますか。

 大きく三つあります。第一に、郊外の地主様に対して「顔の見える営業活動」を行い、親身な相談相手として向き合っている点です。「顔の見える営業活動」とは、最初の訪問から、問題点の解決、成約、アフターフォローまで、一貫して弊社の担当者がお客様と向き合い、さらに、売主様から見てプロパリンクが「直接の買主」になるということです。

 不動産の買い取りを手掛ける会社は多くありますが、従来は、仲介会社や金融機関から入ってくる間接的な情報を元に、物件の仕入れを行っている会社がほとんどでした。しかし、売主の立場に立ってみれば、複数の取引相手が間に挟まることで、相手の顔が見えない状態での商談を余儀なくされていた訳です。郊外の地主様のなかには保守的な考えをもった方も多く、不透明な取引に不安を感じるという声がとても多い。プロパリンクの場合は、間に他社を挟まず、最初から最後までマンツーマンでの対応を行うことで、地主様ごとのお悩みや、細かな御要望に丁寧な対応を行うよう努めています。

 しかし、「身近な相談相手」という点では、地域密着型で営業を行っている地場の不動産業者さんも一定の優位性を持っているのが事実です。そこで、当社では、第二の強みとして、専門性と人的ネットワークを駆使することで、「地主様のブレイン」としての差別化を図っています。例えば、運営に苦慮されているアパートを一棟単位で売却するような案件の場合、賃貸仲介や管理を主な収益源とする地場の不動産業者さんでは、販路やノウハウの蓄積が少ない為に、十分な対応が出来ないケースも多い。他にも、税務・法律等の観点から見て、お客様に間違ったアドバイスをしてしまっている不動産会社もが多いのです。

 プロパリンクでは、日頃より地域の事業会社や、都内の不動産投資家へ向けた販路を開拓する事はもちろん、税理士や弁護士等の専門家とチームを組むことで、お客様や物件が抱える様々な問題点に対して、不動産取引を通じたソリューションを提供しているのです。「地場業者のように近い存在であること」と、「専門性・人的ネットワークを駆使した地主様のブレインであること」の両方を兼ね備えていることが、当社の最大の強みです。

 そして、第三の強みは、本来地主様が負担するべき「瑕疵担保責任」を、当社にて肩代わりするということです。

― 「瑕疵担保責任」とはなんでしょうか。

 不動産取引においては、通常、物件を売却した後になって、その物件に何らかの欠陥が発覚してしまった場合、買主に対する損害賠償などの責任を、売主が負担しなくてはいけません(民法第570条・瑕疵担保責任)。つまり、売主の立場で考えれば、「売っても、まだ安心は出来ない」ということなのです。例えば、建物に実はシロアリがいたとか、雨漏りがあったとか、地中に埋設物が隠れていた、等の事例が実際に発生しています。これらは売主にとって非常に大きなリスクなのですが、所有者とはいえ不動産のプロではない地主様にとって、御自身の物件の状況を詳細に把握しておくことは困難です。のちのち裁判沙汰のトラブルに陥るケースも少なくありません。

 これに対し、当社では売主様のリスクを軽減するために工夫を凝らしています。具体的には、不動産取引のプロとして物件の目利きをしたうえで、当社が取引の当事者として、いったん物件を買い取らせて頂くことにしたのです。その際に、「売主の瑕疵担保責任を一切免除する」旨の特約を契約書に定めます。つまり、地主様は「売ったら売りっぱなし」で大丈夫ということ。この様な手順を敢えて踏むことで、当社が次の買主様に物件をご購入いただいた後に、万が一、物件の不具合、欠陥が発覚したとしても、全責任を当社が負う事になるのです。地主様にとって、これ以上の安心はありません。

著名経営者

  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • シダックス株式会社

    志太 勤
  • テンプスタッフ株式会社

    篠原 欣子
  • 株式会社セプテーニ・ホールディングス

    七村 守
  • 伊那食品工業株式会社

    塚越 寛
  • 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル)

    羽鳥 兼市

プロフィール

  • お名前澤村 恒星
  • お名前(ふりがな)さわむら こうせい
  • 出身東京都
  • 身長175cm
  • 体重57kg
  • 平均睡眠時間6時間
  • 好きな言葉「目を星に向け、足を地につけよ。」
  • 出身校中央大学(法学部)
  • 座右の書『影響力の武器[第三版]』
    (ロバート・B・チャルディーニ)