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ニッポンの社長 >  子どもの未来を応援するニッポンの大人たち  > 中学受験専門 鉄能会 統括責任者 中村 良

 また、模試の偏差値はほとんどあてにならないと考え、6年生になってからは、徹底的に志望校の過去問演習を繰り返します。ちなみに後期に入ると、授業時間以外に週2本(2年分)の過去問演習を全員に課します。また、すべての答案を講師が採点することで子どもたちの状況を正確に把握し、これを授業内容に反映させています。

― 成功事例を1つ聞かせてください。

 ある上位有名校を目指すA君という生徒がいました。小6春の時点で、苦手な国語は偏差値40前後、理科・社会もパッとせず、4科偏差値は志望校にはとても届かない状況でした。しかし、算数だけは好きな教科でしたので、A君には「もう国語の勉強はしなくていい。その代わり、得意な算数にすべての時間を割きなさい」と伝えました。国語のストレスから解放する代わりに、算数には徹底的にこだわらせるという作戦です。

 この作戦には、算数を通して学習能力そのものを引き上げるという目的がありましたが、それと同時に、国語はやらなくてもそれ以上は得点力が下がらない状況があり、まさにA君がこれに当てはまると考えたのです。

 とはいえ、入試直前、年内最後の模試の結果は志望校にまったく届いておりませんでした。私立小に通っていたのですが、12月にあった学校の進路指導では「受験予定校のすべてに落ちる」と言われ、志望校の変更を勧められたそうです。

 しかし、私たちは真逆の手応えを感じていましたので、チャンスは十分にあるので受験プランの変更は必要ない、というご提案をさせていただきました。私たちはA君の志望校に合わせて必要なものを取捨選択して指導を行ってきており、過去問演習の様子からも合格の可能性が高まっていることを把握していたのです。

 2/1で合格を決めたら受験終了、と当然のように考えていたお母様に対し、年明けにはさらなる上位校への願書提出をお願いしました。もちろん、チャンスがあると見込んだからです。それはA君が過去問演習もしたことがない2/3の慶應義塾中等部でした。

 慶応義塾中等部といえば偏差値上は難関校の一角です。しかし、国語は受験生の得点分布が平均点付近に固まる傾向があり、国語が苦手なA君でもビハインドは20点程度と予測しました。一方、算数は、試験時間を短くすることで難易度を高めているという特徴があり、一問一問はさほど難しくありません。得点分布の傾向は国語と同様ながらも、比を使いこなせるA君であれば高得点をたたき出すことも可能だろうと考えたのです。結果としてA君は第一志望校に合格、勢いそのままに慶應義塾中等部の合格も勝ち取りました。

 この事例のように、中学入試は偏差値や模試の合格可能性を鵜呑みにしてはいけません。大切なのは、子どもの能力と特性、そして受験校の入試傾向をしっかりと把握すること。その上で正しい指導を行えば、チャンスを大きく広げることができるのです。

― 中学受験に挑む子どもたちに対して、どのような想いを持っていますか。

 中学受験を通して自分を成長させ、何事においても自分の頭でしっかり考え、選択し、そして実行できる人間になってもらいたいと考えています。もちろん、本人にとっても周囲の大人にとっても結果がすべてであることは私たちも十分に理解しています。しかし、子どもたちは、中学受験終了後も将来の夢に向かって歩み続けなくてはなりません。

 かつて第一志望校には惜しくも2次試験で不合格となり、第二志望校に進学したBさんという生徒がいました。中学受験で満足な結果を得ることが出来ず、お母様はずいぶんがっかりしていらしたのですが、日頃の様子から、私はBさんが自立して自分の人生を切り開いていける子だと確信していました。お母様にもそう伝えて、心配せずに見守ってあげて欲しいと迷いの欠片もなく申し上げました。

 実際に中学校入学後のBさんは、常に学年トップを争う成績をキープ、6年後の大学受験では、見事に京都大学・医学部に現役合格を果たしました。発表当日に親子で報告に来てくれたことを大変嬉しく思いましたし、それと同時に、Bさんが日本、ひいては世界の医療を変える存在になるかもしれないと、私がワクワクしてしまいました。

 もちろん、私たちが受けるべき評価は中学受験での結果のみであり、それ以上でも、それ以下でもありません。しかし、子どもたちには自立して将来の夢に向かう力こそ身に付けて欲しい。そういう想いを持ちながら、日々の指導にあたっています。

― 最後にひと言、この仕事の醍醐味をおしえてください。

 私たちはすべての子どもに大きく伸びる可能性があると信じています。一人でも多くの子どもたちを鉄能会で指導し、その成長に携わりたい。結果として合格を勝ち取った姿を見れば、成長の過程を知るだけに自ずと涙も流れます。さらに鉄能会を卒業していった子どもたちが、世の中を変えるような活躍をしてくれたら、指導者冥利に尽きますね。

■ 中村 良 (なかむら まこと)

1973年、東京都生まれ。学生時代から塾講師として生徒指導にあたるも、大学卒業後は企業コンサルに携わるために金融業界へ。その後、子どもたちへの教育こそ本気のコンサルティングが必要であるという思いが募り、26歳で塾業界へ転身。以降、大手学習塾にて、のべ2000人を超える保護者との学習相談を実施、「大人の関わり方次第で、すべての子どもが伸びる」という考えに至る。これを現場の指導として実践するため、柔軟な指導体制を求めて2009年に鉄能会へ加入、合格実績を飛躍させた。2016年より現職。

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プロフィール

  • お名前中村 良
  • お名前(ふりがな)なかむら まこと
  • 出身東京都
  • 血液型A型
  • 趣味サッカー観戦
  • おススメ本三国志(北方謙三)
  • 座右の銘いまを生きる
  • 尊敬する経営者井深 大(ソニー創業者)
  • 好きな映画いまを生きる