ニッポンの社長

ニッポンの社長 > 東京遊覧観光バス株式会社 代表取締役社長 石井 誠

― 安心・安全を追求するために御社ではどのような取り組みをしているのですか。

 第一に、ハード面におけるバックアップ体制の強化です。具体的には、最新車両の導入と、デジタルタコメーターとドライブレコーダー、IP無線の導入です。

 まず車両については、9割の在籍車両にVSC車両安定制御システム、EBS電子制御ブレーキシステムを装備。万が一に備え、「衝突被害軽減ブレーキ」も備え付けています。またドライバーの視線を監視するモニターや、車線逸脱・ふらつき警報装置などもあり、事故回避制動にも迅速確実に対応する機能が備わっています。

 さらに、相互通信型デジタルタコメーター・ドライブレコーダーを全車両に搭載し、社内にいる運行管理者が常にバスの現在地や速度、休憩状況の確認、運行経路の事故・渋滞状況などを監視。車両のふらつきやエンジンの回転数など、異常の頻発を感知すればアラートを出して注意喚起をはかる仕組みで、深刻な事態が発生する前に、全国に対応するIP無線にて直接乗務員に指示できる管理体制で運行を支援しています。

 また当社では、全車両に災害向けの保存飲料水と備蓄用の食料を積んでいます。大雪が降って、峠の真ん中にバスが立ち往生した事故もあったように、自然災害ではどんな状況に陥るか分かりません。

 さらに、約半数の車両にAEDを搭載。適切に使用できるよう、全乗務員が東京消防庁主催の救命技能認定証の交付を受けています。このように、お客様の安心・安全のために徹底した取り組みを行っています。

― ドライバーの人材育成の面ではいかがでしょうか。

 もちろん非常に力を入れています。車両のデジタルタコメーターの記録は、乗務員が帰庫すると日報のレポートとして出力されます。その評価を基に、乗務員個別の運転の癖や、運転傾向を指摘し、安全教育に役立てられるので効果的な指導が可能に。加えて、定期的に現職警察官による安全指導教育も実施しています。

 何よりも私自身が元ドライバーですから、どんな時に運転リスクが生じるかをよく知っており、安全運転技術向上のため、危険予知や防衛運転の大切さを日々ディスカッションしながら、乗務員教育に採り入れています。

 そして毎日の運行前と運行後に行う点呼時や安全教育時には、乗務員との対話を重視して情報を共有し、コミュニケーションを密にすることも大事。ふだんから積極的に声をかけ、勤務シフトの都合で何日か会っていない乗務員がいたら、帰庫を待って話をします。毎日の乗務員の様子を細かく見ながら、気持ちを汲み取るようにして、風通しの良い社内にしたいと思っていますね。

― なぜ、そこまで安心・安全を徹底しているのですか。

 バス業界は、数年前まで熾烈な価格競争などによる、公示運賃割れの受注が横行していました。そんななかで、大きなバス事故が発生してしまったのは記憶に新しいところです。

 これを契機に、事故は単に一事業者だけの問題ではなく、バス業界全体の問題として考えるべきものという問題提起につながりました。安心・安全と言葉にするのは簡単ですが、これは終わりのないテーマであり、われわれ運送事業に携わる者は、絶対におろそかにしてはならないものです。

 私は、「自分がドライバーであればどんな職場で働きたいか」を常に考え、乗務員の仕事環境を整えていくことが、お客様の安全を担保することにつながると考えています。

 会社だけが利益をあげればいい、というものでは決してありません。「従業員の喜びがなければ、お客様の幸せももたらされない」という考えで、これからもサービスの充実に努めていきます。

著名経営者

  • クオンタムリープ株式会社

    出井 伸之
  • ヤマト運輸株式会社

    小倉 昌男
  • 株式会社ホリプロ

    堀 威夫
  • 株式会社アシックス

    鬼塚 喜八郎
  • 楽天株式会社

    三木谷 浩史
  • 株式会社ニトリホールディングス

    似鳥 昭雄

プロフィール

  • お名前石井 誠
  • お名前(ふりがな)いしい まこと
  • 出身北海道
  • 血液型AB型
  • 平均睡眠時間6時間
  • 平均起床時間7時
  • 趣味旅行・ゴルフ
  • 尊敬する経営者豊田喜一郎
  • 好きなスポーツテニス・ゴルフ