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株式会社トランプス 代表取締役 井口 正文

人生の勝利者となるための価値を、デザインのチカラでつくりたい

カフェ、喫茶店、居酒屋などの店頭で翻る「のぼり旗」の制作をコア事業に据える、株式会社トランプス。経営者であり、デザイナーでもある井口正文氏は「デザイン性の高さ、低コスト、確実な成果」が同社の強みだと分析する。また「デザインのチカラで人生の勝利者をつくる」を企業哲学に掲げ、社会貢献的な取り組みにも積極的だ。のぼり旗制作にかける思い、デザインをベースにした経営戦略について、井口氏にうかがってみた。

東日本大震災が、のぼり旗事業の転換点になった

― 最初に御社の事業内容を教えてください。

 ひと言でいえばデザイン会社となりますが、事業は主に雑誌や書籍などのエディトリアルデザイン部門と、のぼり旗事業部で構成されています。現在、比率的にはのぼり旗制作がコア事業になっています。

― のぼり旗をコア事業にするデザイン会社は少ないと思いますが、なぜそこに目をつけられたのでしょうか。

 私は大学でグラフィックデザインを学んだ後、エディトリアルデザイン業界大手のデザイン会社で働いていました。キャリアを積み、独立してフリーランスとなったのが30歳のとき。勤めていた頃からのクライアントに、自分が営業して開拓した新規クライアントも含め、仕事が途切れることはなく、フリーランスとしては恵まれた収入もありました。その一方で、「このままでいいのかな?」という思いが自分の中でくすぶっていたのも事実です。

― 順調なキャリアのように思えますが……。

 個人的にはそうです。でもデザイナーというのは、独立しやすい反面、いつ仕事がなくなっても不思議ではありません。ある程度の年齢になると、それまでお付き合いのあった編集者が現場を離れ、デザイナーを変更されたり、女性の場合は結婚、出産を機会に仕事から離れなくてはいけなかったり。特にリーマンショックを境に仕事を失ったデザイナーから相談を受けることが増え、思うところもあり、そうした人たちを雇用しました。同時に、雇用を維持するにはエディトリアルだけでなく、自分たちがデザインした成果物で新しい事業を興せないかと考え、一つのアイデアとして浮かんだのがのぼり旗だったんです。

― 東日本大震災が事業展開の転換点になったそうですね。

 弊社の企業哲学は「デザインのチカラで人生の勝利者をつくる」ですが、志を形にするため自分たちには何ができるのか。いろいろ考えた末、震災から立ち上がろうとする方々を今後、主軸事業としたい「のぼり旗」で支援できないかと。当時「がんばれ日本」「絆」などののぼり旗が制作され、売れると1本につき100円寄付するという仕組みがありました。そういうやり方も素晴らしいのですが、我々は業界では新参者でもあり、同業者がやらないことをやりたかったし、被災地の方々が直接恩恵を受けるような流れをつくりたかった。そこで、デザイン料・制作費とポールを合わせて、のぼり旗1000本の無料提供を行なうことにしました。また、2020年まで被災地限定の特別価格にて支援を続けます。

― 新聞記事に取り上げられるなど、大きな反響があったとうかがいました。

 思い切った判断でしたが、当社にとってもメリットがありました。被災地の方々の声を直接聞くことで、デザイナーが発注する側の気持ちをより理解できるようになりましたし、予想以上の注文を受けたため社内の作業能力も高まったと思います。

著名経営者

  • 株式会社大戸屋

    三森 久実
  • 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル)

    羽鳥 兼市
  • 伊那食品工業株式会社

    塚越 寛
  • MOVIDA JAPAN株式会社

    孫 泰蔵
  • 株式会社ワークスアプリケーションズ

    牧野 正幸
  • シダックス株式会社

    志太 勤

プロフィール

  • お名前井口 正文
  • お名前(ふりがな)いぐち まさふみ
  • 出身新潟県
  • おススメ本ストーリーとしての競争戦略
  • 座右の銘知勇兼備
  • 尊敬する人マーティン・ルーサー・キング
  • 尊敬する経営者渡邊幸義
  • 好きな言葉冬は必ず春となる
  • 好きな作家吉川英治
  • 好きな映画黒澤明の「生きる」
  • 出身校多摩美術大学
  • 生年月日1970/6/18