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ニッポンの社長 > インタビュー > 世の中に独自の価値を提供する社長 > 株式会社ワールドパーティー 代表取締役 中村 俊也

― レイングッズのみを中心に扱う企業様は珍しいですが、この業界でのビジネスで大切にされていることはありますか?

 当社が大切にしているのは、ビジネスに大きく関わる「雨」という自然現象と共存していくという発想です。これは事業開始当初からのテーマなのですが、人々からあまり歓迎されない「雨」とどう向き合うか?ということです。本当は僕達も行事や予定があるときは雨なんか降らず晴れて欲しいですよ。だけど、その雨のお陰で商品が売れるわけですから自己矛盾との葛藤でした。しかし、KiUのブランド名を考えていた時に出会った言葉が「喜雨(キウ)」でした。これは俳句などで夏を表す季語で、日照りが続く時に降る恵みの雨のことです。僕はその時、雨の必要性を再認識して改めて「人は自然に逆らうのではなく共存していくものなのだ」と感じたのです。

 僕達の商売は、雨が降ると商品が売れるわけです。これは、豊かな自然と四季に恵まれた日本という島国に住んでいるからこその恩恵だと思います。傘を含めて、これほどレイングッズが売れている国は他にありません。しかしながらその自然は行き過ぎると災害に繋がるのも日本の宿命です。だからこそ、僕達はその授かった恩恵を社会に返すべく、自然災害が起きた時に使命感を持って支援活動をしたいと考えました。自分たちの商いをフェアにしたかったのです。それを形にしたのが、復興支援基金などを進める「KiU PROJECT」です。この他にも、会社の売上が10億円を超えた時からセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんに支援サポートさせていただき現在まで続いています。こうした活動に「やりすぎ」という考えは存在しません。会社として、社会に貢献するのが使命だと思うからです。自分たちの利益を優先させるだけでは、つまらない会社になると思っています。

― 今後の展開について教えてください。

 今までも、そしてこれからも、変わらない方向性があります。それは「楽しむこと」「面白いこと」「意味があること」です。そのモチベーションを保ったままブランドを成長させて売上を増やすという結果にはこだわり、会社に体力をつけていき、そしてまた新しいことができる次のステップに向かう。その繰り返しかなぁと思っています。しかし改めて思うことは「ただ売れればいい、儲ければいい」が会社の最優先事項であってはならないということです。大切なことは、会社で働く人たちが幸せであり、自分たちが発信することで社会の役に立てること。これは、自分の価値観として、今後も会社を経営していく上できちんと持っておきたいことです。

■ 中村 俊也 (なかむら としや)

 大阪市生まれ。服飾専門学校中退後、海外放浪とフリーター生活を数年続ける。両親の洋傘加工業を手伝っていた時に、作った傘のサンプルが梅田LOFTで受け入れられ、その後、両親の洋傘加工業の会社を引き継ぐ形で株式会社ワールドパーティーを設立。2004年にオリジナルブランド「w.p.c」を立ち上げ組織拡大を目指した。

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プロフィール

  • お名前中村 俊也
  • お名前(ふりがな)なかむら としや