ニッポンの社長

ニッポンの社長 > 株式会社中央シャッター 代表取締役 市川 慎次郎

― 御社が長年にわたってお客様から信頼を集めてきた理由は何だと考えますか。

 やはり地域の人とのつながりを大事にしながら、小さな取り組みを真摯に続けてきたことが一番ではないでしょうか。

 とにかく創業以来、先代は「困っているんだから助けてあげるのが先だろ。利益なんて後からついてくる」と口癖のように言っていました。

 創業してすぐ、浅草の呉服屋さんが、年末の30日にシャッターが閉まらなくなって困っていたことがありました。修理の依頼に、電話帳を見ながら28件電話をかけたけどどこも出ず、29番目に電話をかけたのがうちで、先代が飛んでいって直してあげたんです。

 店主のおばあちゃんからは、「もう店で年越しをしないといけないと覚悟していた矢先につながった」と大いに感謝されました。

 それ以来、当社では年末は30日まで営業することを恒例にして、全社員でその日に餅つきをして地元の方たちに振る舞いながら、感謝の気持ちをお伝えしてきました。

 こうした行いの積み重ねで、地域の人とのつながりを大切にしてきたことが、当社が成長できた一番の要因だと思います。

― ほかにもあれば教えてください。

 もう一つは、どんなに小さな仕事や人が嫌がる仕事も、「喜んで」の精神で受け続けたことです。大手企業がやらないようなちょっとした修理、緊急のトラブルであっても、「困っているのだから何とかしてあげたい」との気持ちでお受けしてきました。

 また他の企業であれば買い替えを進めるようなケースでも、当社では出来る限り修理を勧めることが多くあります。そのほうがお客様にとってもコストの負担が少なく、喜んでもらえます。そうした関係のなかで、長いお付き合いをしていきたいという思いがあるんです。

― そうした行動は、どのような教えからきているのですか。

 私は小さいころからずっと、二宮金次郎の教えで知られる「たらいの水」の話を先代から何度も聞かされてきました。たらいの水を自分の方に引き寄せようとすると、水は向こうに逃げてしまうけど、相手にあげようと押すとこちらに返ってくる。相手のために尽くしていると幸せは自然とやってくるという教えです。

 去年のことですが、地元の居酒屋さんの電動シャッターが開かなくなり、モーターの交換が必要になったものの、入荷するまで3日かかり、このままでは店を開けられない…という状況になったことがありました。
そこで自社工場のシャッターで使っているモーターを外して持っていき、応急処置で交換して開店に間に合わせたのです。

 こうしたことを当たり前にする教えとして、「商いは❝益❞を求めて商いならず、人喜んでこそ商いなり」という当社の社訓があります。商売は利益を求めるのではなく、お客様が喜ぶことの結果が利益になるというもの。まさに先代がずっとこだわってきた教えであり、これからも大切にしたいと思っています。

著名経営者

  • 日本食研ホールディングス株式会社

    大沢 一彦
  • 株式会社ディー・エヌ・エー

    南場 智子
  • シダックス株式会社

    志太 勤
  • 株式会社ファーストリテイリング

    柳井 正
  • 株式会社ジャパネットたかた

    髙田 明
  • SBIホールディングス株式会社

    北尾 吉孝

プロフィール

  • お名前市川 慎次郎
  • お名前(ふりがな)いちかわ しんじろう
  • 趣味仕事、家族と一緒にいること
  • 座右の銘出会いに感謝
  • 尊敬する人創業者である父
  • 尊敬する経営者市川 文胤(父)
  • 好きな食べ物家内の手料理
  • 休日の過ごし方家族と一緒に居る
  • 出身校中国語言文化大学