※下記はベンチャー通信22号(2006年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
【インタビュー中編】僕は理屈っぽい掘り下げタイプ
― そもそもなぜ大学教授になろうと?
大学教授って、束縛されずに自由に仕事ができる感じがした。でも、それは僕の勝手な思い込みだったことがすぐに判明しましたが(笑)。もともと僕の家系には、サラリーマンがいないんですよ。僕の父は、小さい頃に他界した。母は小唄の師匠でした。親戚にもサラリーマンはいなかった。だから、昔から僕には会社に勤めるという感覚がなかったんです。
それに僕はもともと掘り下げタイプ。一つのことを理屈っぽく掘り下げていくタイプなんです。そういう意味でも研究者である大学教授が向いているかなと思ったんですね。
― でも、学生時代に商売の面白さに魅了されて、進路も変わったんですね。
そうですね。利益を出すために、知恵をしぼる。商売の面白さに魅了されましたね。利益とは、つまり付加価値なんです。利益を出すためには、知恵をしぼって付加価値を生み出さないといけない。
特に僕の学生時代は、企画を売っていたので、付加価値の源泉は知恵しかなかった。つまり自分の頭の中から湧き出るアイディアで勝負していたんです。そこが非常に面白かった。
― 大学卒業後、リクルートコスモスに就職。その後、すぐに起業しましたね。
当時、学生時代からビジネスに関わっていたような連中はリクルートに入社する人が多かった。だから僕もリクルートコスモスに行きました。でも入社当時から、いずれは会社経営をしたいと漠然と考えていました。学生時代からの友人で、僕と同じ会社に入社した宇野(現:株式会社USEN代表取締役社長)とも、「将来、みんなで会社をやりたいな」という話もしていました。
転機は、突然でした。当時、知人を通じて、外苑前で美容院をやりたいという人の話がきた。でも、借りる店舗のスペースが広すぎる。その余ったスペースを事務所などに使ってくれる人はいないか。そんな話でした。そこで「じゃあ、オレたちで何かやろう」という話になった。それが起業のきっかけですね。
だから、何をやるかも決まっていないのに会社だけ立ち上げた。それが24歳の時。とりあえず会社をつくろう、そんなノリでした(笑)。インテリジェンスという社名にしたのも、事業内容がまだ決まっていなかったから、何をやっても通用するような社名にしました。当時、僕らも若かったから、青臭いことも言っていました。「何をやるかなんて重要じゃない。どうあるかが重要なんだ」って(笑)。そして、唯一みんなの中にあったのが、「会社をつくるからには、社会に価値のある何かを残そう」というもの。それは19年経った今でも変わっていませんね。
― そもそも鎌田さんが考える“起業家”って何ですか?
起業家は、その文字の通り“起こす人”だと思います。ビジネスを起こす人ですね。経営者とは違う。経営者は“企業を長期継続的に成長させ続ける人”のこと。昔は僕も起業家でしたが、いまでは経営者。インテリジェンスも一定の会社規模になったので、起業家精神だけでやっていくにはもう限界です。
― なるほど。では、鎌田さんが考える“いい会社の条件”とは?
徹底している会社。ある意思に基づいて、“徹底している会社”がいい会社ですね。
プロフィール
- お名前鎌田 和彦
- お名前(ふりがな)かまた かずひこ
- 出身神奈川県
- 身長181cm
- 体重76kg
- 平均睡眠時間7時間
- 平均起床時間6時 30分
- 趣味ワイン・ゴルフ
- おススメ本「ロスチャイルド家と最高のワイン」
- 購読雑誌日経ビジネス
- 座右の銘終始一貫
- 好きな食べ物寿司
- 嫌いな食べ物にんじん