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ニッポンの社長 > ヤマト運輸株式会社 元会長 小倉 昌男

※下記はベンチャー通信7号(2003年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

【インタビュー後編】高い志と高い品格

― 今の日本の状況をどう思われますか。

 困ったもんです。このまま行くと日本は危ないと思います。日本は生産面で非常に遅れをとっています。かつて日本は技術力が進んでおり、しかもそれを支える人口や安い労働力もありました。

 しかし、その構図ががらっと変わって、すべて東南アジアに持っていかれてしまった。東南アジアの技術力は日本よりも優れているものも多いし、人口も圧倒的に多くて労働力も安い。これではまともに競争できません。

 そのため日本はITのような高付加価値産業を中心に競争しなければならなくなります。IT分野で日本はやっとアメリカに追いついたばかりですが、まだまだ挽回できる余地もあると思います。しかし、まずは役人が作った多くの規制を無くさないといけない。不必要な規制があるとうまくいきません。

 私も宅急便を始めるにあたって規制と対決しなければなりませんでした。そこで分かったのが、規制は役人のためにあるということです。役人が規制を作って、自分たちの都合のいいように使っている。日本を良くするためには、この現状を変えなければいけません。これからは役人主導を改めて民間主導でいかなければならないと思います。

― 最近の学生を見てどう思いますか。

 一般論として言うと、あまり勉強していないという印象を受けますね。知識偏重の受験制度が大きな問題なんだと思います。受験をしなければならないから受験知識に偏ってしまって、基本的な教養が身についていない。私の時代では教養を身につけているのが当たり前で、身についていないと恥ずかしかった。

 また教養は主に学校でなく個人で勉強していました。あと受験制度が良くないのはペーパーテストの存在。暗記したら良い成績がとれるから、記憶力のいい人が勝ってしまい、創造的考えを持っている人が勝てない。これからは、創造的考えを持った人間が勝つ社会にしなければならないと思います。

― 経営者に必要な資質とは、どのようなものとお考えですか。

 高い目標を設定して、それを組織の全員に徹底できることが大切ですね。そのためには、コミュニケーション能力が絶対に必要です。また、時代の変化や環境の変化に敏感にならなければなりません。新しい条件のもとで、それに合った新しい事業を展開していくのが経営者です。そして、新しい仕事をやるには考えて考えて考え抜いた上で、「必ず成功する」という確信を持って実行に移す。その後、出てきた結果を何度も検証していき、修正していくのです。

 初めから完璧な商品なんて作れない。何度も挑戦していき、どんどん修正していけばいいわけです。つまり、やってみなければわからないんですね。やればわかる。やってみて分かったことを直す。そして最後には完全な商品に仕上げる。これが原則です。

― 最後に、起業家を目指す若者にメッセージをお願いします。

 まず、志を高く持ちなさいということを言いたい。正直、志の低い人はダメです。また人間的にも優れていないといけない。人格・品格の無い人に起業は無理です。限りのある短い人生なんだから、品格高く志高く生きて欲しいですね。ベンチャーで成功するしないは、たいしたことではありません。成功して得られるお金なんて儚いものです。それよりも、成功するために必死に勉強したり、努力したりすることの方が大事です。ですから、若い人は高い志を持って、一生懸命努力してほしいです。頑張ってください。

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プロフィール

  • お名前小倉 昌男
  • お名前(ふりがな)おぐら まさお
  • 出身東京都
  • 出身校東京大学