― MTトランスポートの特徴・強みはどんなところにあるのでしょうか。
長年の業界経験を踏まえて、つねに心がけているのは、お客さまからの問い合わせに対して早くお返事をするということです。たいていの場合、お客さまは「車が手配できない」「ドライバーが病気になってしまった」など、困り果ててわれわれにご相談してこられます。緊急に対応しなければいけないケースがほとんどです。
そこで返事を保留され、さらに待たされるとなれば、お客さまの立場からすればたまったものではありません。仮にできないとしても、その場で判断してお返事をするのが最低限の心遣いだと思っています。
もちろん確認しなければわからないこともありますが、お客さまのご要望はすべて受け入れるのが私の基本姿勢です。まずは「できます」とお返事してしまうことも多いですね。
― もしできなかったらどうするのですか。
これまで、できなかったことはありません。
もちろん2、3質問をさせてもらい、できるという見通しが立つから引き受けているのです。業界経験も長いですし、自分自身がドライバーとして働いた経験があるので、押さえるべきポイントはだいたい頭の中に入っています。
もうひとつ、当社の保有車両は72台(平成30年1月時点)と、軽貨物業界での平均的な保有台数の倍近くあります。冷蔵・冷凍車ももっていますし、埼玉、東京、神奈川、栃木、長野、北海道など全国にドライバーが散らばっています。
「あのドライバーが何時頃、あのあたりを走っているはずなので、あそこで荷物を受け渡しして……」といった具合に、緊急対応にはパズルのような緻密な経験が必要ですが、委託ドライバーが70名強もいるということは、パズルのピースがそれだけ多く、組み合わせのバリエーションもそれだけ多岐に渡るということです。
― 70名ものドライバーの状況や動向を、どのように把握しているのでしょうか。
全体の5割は定期的な仕事ですし、毎日各ドライバーに「完了報告」を出してもらっているので、現在の状況はだいたい把握できます。毎日内容をチェックしていれば、たとえば宅配で1日何軒しか回れなかったところが、より多くのご家庭を回れるようになったなど、各ドライバーの成長も見てとれます。
委託ドライバーは基本的には個人事業主になりますが、面接は基本的にすべて私が行いますし、ときには一緒に食事に行ったり、日頃からコミュニケーションを深めるようにしています。ドライバーそれぞれ得意な分野がありますし、望んでいる働き方も違いますから、その人に合った定期的な仕事をまかせるように配慮していますね。
スポット的に発生する仕事については、ドライバーから見て負担のかかる仕事が続いたなと思えば、本人が楽しめるような仕事を提供するなど、負荷が偏らないように気をつけています。
そうして日頃から一人ひとりと向き合っているためか、人の出入りの激しい業界にもかかわらず、当社のドライバーは非常に定着率が高い。創業時からずっと続いている人も多いですし、当社の経験を踏まえて独立をして、今では経営者仲間として付き合いが続いている人もいます。社内だけでは車が足りないといったときには、お互いに声をかけて協力し合えるようなネットワークが、自然と広がっています。
プロフィール
- お名前鈴木 拓哉
- お名前(ふりがな)すずき たくや
- 出身北海道