― 具体的にはどういった支援事例がありますか。
「日高昆布」に関する件についてお話ししましょう。
私は鍋料理と日高昆布がすごく好きで、3日に一度は鍋をするほどでした。でもある日、「日高昆布の後継者が年々減っていて、2021年に襲った北海道の赤潮問題もあり、この先ひょっとしたら漁獲高が激減してしまう恐れもある」という話を聞いたのです。そのとき、もう本当に喪失感が大きくて……。私がこれからあと30年は生きられるとして、「残りの人生で何回日高昆布を食べられるのだろう」と考えると、なんだか涙が出てきてしまったのです。
そこで私は、「絶対に日高昆布は守らなくてはいけない」と立ち上がりました。北海道日高振興局管内の漁業関係者に連絡を入れて、「なにかお手伝いさせてください」と。「日高昆布の気持ち」になったら、もうじっとしているわけにはいきませんから。
― すごい熱量ですね。
もちろんですよ!もう、「日高昆布ダンス」とか、すぐにでも創りたいくらい。日高昆布の気持ちになれば、それができます。
みなさまは、「えっ」と思うかもしれないけれど、そういう発想が自然に出てくるのですよ。地元の漁師さんや地域の子どもたちも一緒に、大勢で日高昆布のダンスを踊っている風景をドローンで空撮したら面白いと思いませんか。そんなふうに楽しく魅力を伝えながら、産地の集客を図っていくことを考えているのです。
私は、自分で「やりたい」と思ったらものすごく感情移入してしまい、つねに「自分ゴト」として考えてしまいます。だから、やりたいことがどんどんあふれ出てくる。
特に日高昆布のことは好き過ぎて、地元のみなさまに「私の頭のてっぺんから足の先まで、どこをどう切っても日高昆布が出てきます」と言ったら大ウケで。みなさま、とても元気になってくださいました。私もうれしくて、次のプロモーション施策を一緒に考えています。
― それが大津さん流のコンサルティングのやり方なのですね。
私自身、携わる人の価値と商品の価値、そしてミッションの3つのベクトルを合わせていき、そこに自分の熱を感じることができれば、魅力を伝えるために邁進します。クライアントさんと伴走していくことで、それまでの売り方とはまったく違った提案ができます。日頃から斬新なアイデアを出し続け、多くのお客さまに新規事業を提案できるのです。
― 新しいアイデアが生まれる源泉はどこにあるのですか。
私は「人」が大好きなので、人の想いに触れて感情移入することで、私自身がその商品やサービスになり切ることができます。アタマがかなり柔軟ですから、「これ、いいかも」と、ぱっとひらめくのです。それと、さまざまな国への旅行で得てきたアイデアの「引き出し」があります。そのときの体験と日本の現状から感じるギャップから、斬新なアイデアにつながる提案ができるのかもしれません。
ビジネスのネタって、どこに転がっているかわからないですよね。だからこそ私は敏感なアンテナをつねに張って、「なんでもヒントにしてやろう」という好奇心でいっぱいなのです。
プロフィール
- お名前大津 庸子
- お名前(ふりがな)おおつ ようこ
- 趣味自然に関する番組視聴
- おススメ本『ビジョナリーカンパニー②』
- 家族長男、長女、次女、次男
- 今までに訪れた国19ヵ国
- 好きな食べ物お寿司
- 好きな言葉一期一会
- 好きな芸能人中田 敦彦さん
- 好きな漢字一文字匠
- 出身校東京学芸大学