ニッポンの社長

ニッポンの社長 >  子どもの未来を応援するニッポンの大人たち  > 株式会社SUI 代表取締役 居川 光世

― IBによる学びとはどのようなものか教えてください。

 ポイントは大きく3つあります。1つめは「教科の枠にとらわれない学び」、そして2つめは、先にも触れた「探究」です。物事を深く多角的に見て、自分で考え、自分の判断で行動することが授業そのものに組み込まれています。

 教師は中立的な立場から事実を確認する質問役です。あとは子どもたち自身が探求し、考えていきます。教師は必ず最後にそのことについて「振り返り考えさせること」が大事。導き出されるのは1つの解答だけではありません。それぞれの答えにそれぞれの評価方法があり、教師が多様な視点をもちながら認めてあげることが大切です。

 3つめは「育成のための評価」です。単なるテストや試験結果に対する評価ではなく、目指す目標を明示し、そこに向かって進んでいくプロセスを評価の対象にしているんです。

 日本でこうした教育の仕組みを定着させるためにも、私たちが積極的にIB教育プログラムの考え方を実践していきたいと考えています。

― スクールのプログラムには、それがどのように反映されているのですか。

 理科の学習で、「野菜の種を植えよう」というとき、私たちの幼稚園クラスでは、教科の枠を超えて「食のサイクルを学ぼう」といった探求を促すテーマをゴールに設定します。

 種をまき、芽が出て葉っぱができると、子どもたちはいろんな興味をもちます。葉や茎の数を数え、色の違いを発見し、自分の興味や関心について探求を始めるんです。「ひとつの茎に何枚の葉がついているのか」「この野菜でどんな料理がつくれるのか」「野菜は誰がつくっているんだろう」など。教師は物事の本質を多面的に掘り下げ探究していけるよう、助けていきます。この一連の探求のなかで、数の概念やArt、Science、Social studiesなどの学習を落とし込んでいきます。

 そしてキュウリやナスが実になると収穫して、自分でナイフを使って切り、いただきます。残飯は捨てずに肥料として使います。そしてできた種は土に戻すんです。

 そうすると、子どもは自分で気づきます。「私たちが野菜をつくって食べることにはサイクルがある! ぐるぐる回ってるんだ!」と。こうした探求のプログラムを大事にするのが私たちのスクール。自分で考え、探して気づきを得ることで、自分なりの感性を育むことにもつながるのです。

― 今の日本で、なぜそうした教育が重視されるのでしょう。

 グローバル化という大きな波があるなかで、それに対応できる国際人材とは、単に英語を話せるということだけではありません。日本のことをよく知り、日本の良い部分を、自らの感性によって英語で伝えられることが大事なんです。

 その点、これまでの日本人は、自分や自分の国の良い部分を上手に表現することをどちらかというと苦手としてきました。

 たとえば今着ている服をほめられたとき、「いや、そんなことないですよ」と謙遜しがちでしょう。もちろんそれは日本人の良さでもありますが、そうではなく、「そうなんだ。これは妻が選んでくれて、僕に似合っているよね」と、しっかり主張できる事が大切。自分を愛し尊重できる事、自己肯定感が確固たる自分のアイデンティティをもつことにつながります。そしてそれこそが人の存在や意見を尊重できることにつながっていきます。

 これからグローバルな視点での人材育成を考えていくときに、もちろん英語は欠かせません。ただ、英語を学ぶとともに、その前提として広い視野や探求心をもち、自分を上手に表現できる力を子どものときから育むことが大切。それが、将来にわたってグローバル人材として活躍するための素地になっていくと考えています。

著名経営者

  • 株式会社大戸屋

    三森 久実
  • 株式会社ファーストリテイリング

    柳井 正
  • 株式会社ディー・エヌ・エー

    南場 智子
  • 株式会社ニトリホールディングス

    似鳥 昭雄
  • MOVIDA JAPAN株式会社

    孫 泰蔵
  • SBIホールディングス株式会社

    北尾 吉孝

プロフィール

  • お名前居川 光世
  • お名前(ふりがな)いかわ みつよ
  • 出身東京都
  • 平均睡眠時間6時間
  • 平均起床時間5時
  • 趣味ダンス、読書
  • 家族夫、猫5匹
  • 座右の銘人生とは今日1日のこと
  • 尊敬する人
  • 尊敬する経営者ウォルト・ディズニー
  • 尊敬する歴史上の人物デール・カーネギー
  • 好きな女優メリル・ストリープ
  • 好きなミュージシャンマイケル・ジャクソン
  • 好きな歌(曲)Rose
  • もし生まれ変わったら?再び教師の道