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ニッポンの社長 > インタビュー > 理念・ビジョンを大切にする社長 > 武ダホールディングス株式会社 創業者 武ダグループ総代表 / 代表取締役社長 兼CEO 武田 幹郎

― 順調に再建できましたか。

 想像以上に大変でしたね。経営再建は現場を知らないとできないと考え、まずはいち塗装職人として現場に出て、仕事を覚えることに専念しました。毎朝6時に出社し、ペンキまみれの服を着て、ハケやローラーを持って作業現場に向かいました。慣れてくると施工管理の仕事も並行して行い、会社がある札幌から函館の現場まで高所作業車で往復700㎞以上運転もしました。また、現場作業をしながら、新たな受注のために営業にも走り回りましたね。まさに、「寝る間もなく」働いている状況でした。

 そうした状況のなか、ある社員が横領を行っていたことが判明し、その社員を解雇しました。その後も不正などが起き全社員をほぼ解雇。私含め親族3人だけでイチからスタートをきらなければならなくなりました。この時は人生の「どん底」を感じました。この時の売上は1億7,000万円。ここからが本当のスタートです。「やるからには自分の力でのれんを創り、売上を10倍にしてやる」と決意しました。そしてとにかく必死に、どんな小さな仕事でも受注し、一つひとつ実績を積み重ねて、信用と資金を創っていきました。

― そのとき、どういった気持ちで仕事をしていたのでしょう。

 とにかく、「あきらめてなるものか」という気持ちでいっぱいでしたね。大学時代に読みあさった書籍を通じて、成功する経営者には、「絶対にやり抜く」という心の強さがあると感じていました。もちろん、時代の先を読む力があり、高度なマーケティングを駆使した事業戦略を練った経営をしているのですが、根底には「心の強さ」がありました。私も「これほど大変なのか」と辛い経験を数多くしましたが、強い心を持ってあきらめずにがんばり続けることで、必ず結果は出ました。これは私の「成功体験」です。だから、いまでも当社の経営理念のなかには、「あきらめない心」という言葉を掲げているのです。

 あきらめない気持ちで無我夢中に働き続け、業績は確実に回復していきました。そこからは、私自身が一級建築施工管理技士や一級土木施工管理技士の資格を取得し、新たな領域の仕事をどんどん受注しました。私が入社してから10年後の2010年には、これまでの塗装業から総合建設業へ事業を拡張し、社名を「武ダ技建創株式会社」に変更し、私が社長に就任しました。ただ、社長になってから、経営再建をする実績が必要です。目に見える実績とのれんを自分の力で創りました。そして、2014年には売上を6倍の10億円にし、のれんも創り、その後も武ダ技建創は成長を続け、2023年には売上を25倍の42億円にしました。その実績と信用の元に武ダホールディングスを創業しました。この経験が武ダグループの始まりです。

著名経営者

  • 株式会社スタジオジブリ

    鈴木 敏夫
  • テンプスタッフ株式会社

    篠原 欣子
  • シダックス株式会社

    志太 勤
  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル)

    羽鳥 兼市
  • エステー株式会社

    鈴木 喬

プロフィール

  • お名前武田 幹郎
  • お名前(ふりがな)たけだ みきお
  • 出身北海道札幌市生まれ
  • 趣味ゴルフ、テニス、スキー、旅行
  • 家族妻、子ども3人
  • 座右の銘継続は力なり
  • 尊敬する人両親、タイガーウッズ
  • 尊敬する経営者永守 重信
  • 尊敬する歴史上の人物徳川 家康
  • 好きな食べ物バーベキュー、しゃぶしゃぶ
  • 出身校北海学園大学