― しかし、社会事業であっても収益の裏付けがなければ長続きしません。どのようなビジネスモデルで事業展開を進めるのですか。
マイクロファイナンスを提唱、グラミン銀行創始者で2006年にノーベル平和賞を受賞したムハンマド・ユヌス博士とチームを組み、バングラデシュの貧困や食糧危機などの社会的課題を解決するためのソーシャルビジネスとして展開します。
昨年12月には、雇用の創出や食育を目的として、ユヌス博士が代表を務めるユヌス・センター・トラストと合弁会社を設立することについて、基本合意しました。この合弁会社で、2014年をメドに、バングラデシュにおけるワタミの1号店を開業。バングラデシュの外食産業の発展を担う人材を育成します。
そして、育成した人材がワタミのフランチャイズ店を出店する際は、グラミン銀行がマイクロファイナンスで融資をします。また、収益は配当せず、バングラデシュの人材育成や業態開発に再投資します。
貧困の背景には、雇用がないという現実があります。ワタミグループで育成した人材がフランチャイズ出店をすることで雇用を生み出し、経済レベルの底上げに貢献することが目的です。
― 貧困解決には膨大な時間がかかります。
もちろん、私が生きている間にバングラデシュの貧困は解決できないかもしれません。しかし、誰かが私の夢を受け継ぎ、着実に前進させてくれればいいのです。
これまで私は「夢に日付を入れる」ことを信条としてきました。具体的な期日を決めない限り、人は物事に真剣に取り組まないからです。起業から株式公開、売上1,000億円達成など、私はすべての夢に日付を入れ、実現させてきました。
しかし、そろそろ「日付の入る夢」は超えなければいけないと考えています。なぜなら、日付が入る夢は、自分が生きている間のことしか想定できないからです。日付の入らない「見果てぬ夢」こそ、起業家が本当に追いかけるべき夢なのかもしれません。
■ 渡邉 美樹 (わたなべ みき)
1959年、神奈川県生まれ。小学校5年生の時、父親が会社を清算。その悔しさをバネに「将来は社長になる」と決意。1982年に明治大学卒業後、会社経営に必要な経理を勉強するため、経理会社に入社。その後、運送会社で1年間働き、起業資金300万円を貯める。1984年に有限会社渡美商事を設立し、同社代表取締役に就任。居酒屋「つぼ八」の店舗を買い取り、フランチャイズオーナーとして起業する。1986年に株式会社ワタミ(現・ワタミ株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。1996年に店頭公開、2000年3月に東証一部に上場する。個人として2003年に学校法人郁文館夢学園の理事長、2007年に岸和田盈進会病院の理事長に就任。その他、公益財団法人School Aid Japan代表理事として発展途上国への教育支援やNPOみんなの夢をかなえる会理事長として日本の若者の夢支援に力を入れる。2011年2月から現職。同年6月に岩手県陸前高田市の参与に就任し、同市の復興にも取り組んでいる。
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プロフィール
- お名前渡邉 美樹
- お名前(ふりがな)わたなべ みき
- 出身神奈川県
- 身長182cm
- 体重68kg
- 平均睡眠時間4~5時間
- 平均起床時間5時
- 趣味読書、登山(屋久島)、ミュージカル(劇団四季)、落語(立川志の輔師匠)
- おススメ本『聖書』、『論語』、『競争の戦略』マイケル・E・ポーター(著)、『炎の経営者』高杉良(著)
- 購読雑誌経済誌など
- 家族4名
- 今までに訪れた国約30ヵ国
- 座右の銘敬天愛人
- 尊敬する人マザー・テレサ
- 好きな食べ物有機野菜、納豆
- 嫌いな食べ物甘いもの