― 中途採用の人材にはなにを求めますか。
顧客自身が意識していないニーズを引き出し、最適な解決策を考える。そんな仕事の進め方をしていることです。採用面接で僕は必ず「これまでどのように顧客と接してきたか」を聞きます。
不動産営業での例で説明しましょうか。たとえば、「一戸建の家を建てたいけど、資金が足りない」という顧客がいる。「そういう場合は、さまざまな資金調達法を顧客に提案しています」。こんな営業なら採用しない。
求めているのは「なぜ建てたいのか、理由を聞きます」という営業。「子どもと庭でキャッチボールをしたいから」という答えだったら、「キャッチボールできる庭さえあれば、集合住宅でもいいですよね」。こう提案する。手持ち資金でできるわけ。こんな具合に、顧客の本質的なニーズを深く聞きだし、マーケットインの考え方で仕事を進める人材を、採用しますね。
― 経験の浅い社員や新卒社員を、どのように育成していますか。
戦略的に部署を異動させることで育てています。
経験のない営業職の場合は、まずパッケージソフト部門に配属する。僕らの事業部門のなかで、いちばん提案営業の要素が少ないから。コンサルティング能力が低くても、頑張れば結果が出せる。
そこで顧客と接しているうちに、さまざまな要望にぶつかる。「もっと、ウチの商売にあったシステムにできないの?」とか。その要望に向きあい、どうしたらこたえられるか悩む。それがコンサルティング営業への第一歩。顧客のために悩んでいる様子がうかがえたら、SI部門に異動させます。
そこでは、顧客ごとの事情にあわせて提供するサービスをカスタマイズできる。だから、コンサルティング能力が開花するんです。
逆に、SIから、パッケージソフト部門やSESに異動させるケースもありますよ。思うように結果が出せず、自信を失っている営業スタッフが対象。パッケージソフトの営業やSES営業は、多くの企業を回れば、必ずニーズのあるところにぶつかるもの。足で稼いで結果を出すことができる。そうやって自信を取り戻させています。
― 異動によって、大きく成長した社員の実例を教えてください。
5年前に新卒で入社した女性社員がいます。入社後3年間は、大手通信キャリアに向けた、コンテンツの企画・運用をしていた。でも、結果が出ない。だから周囲の評価も低いし、彼女も自信をもてずにいた。
でも、僕は違った。3年目ぐらいから、顧客の細かいニーズを感じとれるようになったと評価していたんです。そこで入社4年目になったとき、SI部門に移した。ニーズにあわせ、細かなカスタマイズができるので、彼女の潜在能力が開花。異動後たった1年でトップセールスになり、いまや営業、企画、開発の事業を束ねる本部長として活躍しています。
プロフィール
- お名前浜辺 拓
- お名前(ふりがな)はまべ たく
- 出身北海道
- 血液型AB型
- 平均睡眠時間5.5時間
- おススメ本『金持ち父さん貧乏父さん』
- 今までに訪れた国6ヵ国
- 座右の銘言い訳をする前に動け
- 嫌いな食べ物シイタケ
- 好きなスポーツゴルフ
- 好きなミュージシャン長渕剛
- いま欲しいプレゼント社員の成長
- 休日の過ごし方ゴルフと温泉