ニッポンの社長

ニッポンの社長 > ニッチリッチ株式会社 代表取締役 細井 保裕

― そのなかでホステルの経営者はどのような策を打てばよいのでしょうか。

 できることはいくつかありますが、今の市場であればまずは価格を抑えなければ勝てませんから、低い宿泊費の設定でも利益の出る体質をつくるしかありません。

 そのためには人的コストを下げ、一方で従業員の質を上げて宿泊客に新たな価値を提供することが急務。少ない人数で、徹底的にサービスの質を高めることが非常に重要です。

 ホステルはホテルに比べてお客さまとの距離感が近く、付き合い方の密度が違うので、本当の意味でのホスピタリティが必要です。だからこそ施設の雰囲気づくりや接し方、サービスの内容なども顧客層に合ったできるだけ寄り添ったものにしなくてはなりません。

 つまり、館内の雰囲気やサービス内容を顧客層に合わせながら、スタッフが独自の「生態系」をつくることでお客さまの満足度を上げ、集客につなげていくのです。

― 「生態系」とはどういうことでしょうか。

 自然界でも、たとえば肉食と草食の差ほどに違いがあるのに、それを無視して一緒にしたのでは生態系が壊れてしまいますね。ホステルでもそれは同じです。つまり、ホステル固有のターゲットを絞り込むことが重要ということです。

 ホステルが集客したい顧客層を絞ってターゲティングを行っていく。ホステルのカラーをアピールして、独自性を打ち出すことが必要です。

 これまでは、欧米やアジアといった国や人種に合わせて差別化を図ることを重視しましたが、アジアの比重が高まる今、今後はたとえば家族なのか、カップルなのか、友達同士のグループなのか、または1人の旅行者をターゲットにするのか…といった分け方に重きを置いた「生態系」をホステルの中につくることが大切でしょう。

 たとえば当社が運営を受託する、台東区のホステル「ステイト」は、60歳以上の子育ての終わった外国人夫婦に多く利用いただいています。シニアが過ごせる場所という独自のコンセプトで差別化を図り、非常に好評です。

 このようなホステル固有の魅力は、独自の「生態系」をつくることによって育まれると私は考えています。

― 「生態系」をつくるために、もっとも重要なことはなんでしょうか。

 これはもう「人材教育」ということに尽きます。生態系をつくる役割を担うのは現場のスタッフであり、ホステルの運営の成否は、現場に立つ人材の良し悪しがひとえに鍵を握ります。そこで重要なのが、少ない人数で現場を仕切れる、本当のプロフェッショナルを育てるための人材教育だと私は考えています。

 中でも、現場のマネージャーを育てる教育を重視。マニュアルに頼らず現場主義を貫き、人間としての魅力を備えていくことを促します。自分で考え、チームを活性化し、職場を変えるために果敢にチャレンジできるマネージャーを育成したいのです。

 人材の充実によって、ホステルの雰囲気は確実に変わります。それはお客さまに敏感に伝わり、価格以上の価値を感じてもらえることで必ずリピーターになってくれます。その積み重ねが、魅力あるホステルとしての生態系をつくることにつながるのです。

著名経営者

  • 株式会社サイバーエージェント

    藤田 晋
  • 伊那食品工業株式会社

    塚越 寛
  • 京セラ株式会社

    稲盛 和夫
  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • 株式会社ドリームインキュベータ

    堀 紘一
  • 澤田ホールディングス株式会社

    澤田 秀雄

プロフィール

  • お名前細井 保裕
  • お名前(ふりがな)ほそい やすひろ
  • 趣味格闘技、旅行、読書、サーフィン、スノーボード
  • 座右の銘思考は現実化する
  • 尊敬する人中谷 彰宏
  • 尊敬する経営者スティーブ・ジョブス
  • 好きな言葉成長
  • 好きなスポーツサーフィン、スノーボード、格闘技
  • 好きな映画アメコミ ヒーロー物
  • もし生まれ変わったら?もう一度自分
  • 過去に戻れるならいつ?戻る必要なし