― どうすれば山﨑さんのようなすぐれたトラブルシューターになれますか。

　コンピュータについての幅広く、深い知識、そして豊富な経験が必要です。ですが、それは「これから身につけます」でもOK。いちばん大事なのは「困っている人を助けたい」という気持ちです。そういった意味では、情報系で学んでいた人でなくてもいい。実際、当社では、文系出身者や未経験の人が活躍してくれています。「困っている人を助けたい」「そのために技術や知識を身につけたい」という熱意さえあれば、まっさらな状態で入ってきてくれればいい。

　それに私は人を育てるのが大好きなんです。前職でも、他部署で伸び悩んでいた人材を私の部署で預かり、一人前にしたケースがあります。私個人の究極の夢は、人の潜在能力をすべて引き出せる人間になることなんです。

― では、最後に、会社としての今後のビジョンを聞かせてください。

　会社の規模的なことでいえば、これからの5年で200名体制にしていきたい。そうすることで、新規事業開発に人員をさくことができ、新しい分野に果敢にチャレンジできます。今後はさらに視野を広げて、システムだけでなく、顧客のビジネス全体のパフォーマンスを向上させる仕事にも取り組んでいきたい。いわば経営コンサルタントに近い役割ですね。現在、それは「文系の領域」と思われていて、私たちのようなシステム系の会社の領域ではないと考えられています。しかし、最近ではAIや機械学習が経営判断に活用され始めるなど、システムと経営はますます密接になっていくのは言うまでもありません。そんななか、自分はシステム屋だからといって、システムだけに携わっているのは、おもしろくない。「所期の成果が出ていない原因を特定し、解決策を提供する」ためなら、システムにだって、経営にだって首を突っ込んでいきます。根本にあるのは、「困っている人を助けたい」という想い。そのために今の事業領域を越え、チャレンジを続けていきたいですね。