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ニッポンの社長 > インタビュー > 顧客主義を追求する社長 > 日本PCサービス株式会社 代表取締役社長 家喜 信行

― 御社はどうやって品質を高めているのですか?

 方法のひとつとして、成功事例を社内で共有しています。壊れたパソコンを直すのは当たり前。成功事例とは、お客さまの想像を上回る価値を提供し、お礼の電話や手紙をいただいたケースのことです。

 たとえば、パソコンからお子さんの写真のデータが消えてしまった。どの業者に頼んでもデータが復元できない。そんなトラブルを解決すると、心からお客さまに感謝してもらえます。

 こういった事例を「ハッピー作業」と名付け、具体的な作業内容を担当スタッフに話してもらいます。また、優れた電話対応は「ハッピー電話」と名付け、コールセンターの全スタッフが録音データを聞きます。そして、評価された理由を分析し、ノウハウを共有するのです。

― コールセンターも内製化しているのですね。

 ええ。臨機応変な対応を可能にするため、アウトソーシングはしていません。「顧客第一主義」の考え方を全社員が共有しているので、ギリギリまで訪問スタッフの時間調整ができます。もし他社のコールセンターに任せると、「訪問は明日になります」と平然と答えてしまうでしょう。

― 御社のビジネスは非常に独自性が高いと思います。起業の経緯を教えてもらえますか。

 起業する前、私は中小企業向けパッケージソフトの販売会社に勤務していました。でも、お客さまのパソコンではパッケージソフト以外のトラブルが起こる。パソコンメーカーに電話しても、たらい回しにされた挙句、解決してくれない。だから、私がご訪問してお手伝いしていたんです。

 すると、お客さまのパソコンの不具合が起きた時、必ず私に電話がかかってくるようになりました。たしかに家電量販店などに修理を依頼すると、何週間もパソコンが戻ってこない。時には、データが消えてしまうこともある。私は「スピーディーで安全なパソコン修理のニーズは高い」と確信しました。そこで当社を設立し、パソコンの訪問修理サービスを始めたわけです。

― 現在まで順調に成長してきたのですか。

 おかげさまで設立以来、増収を続けています、でも創業期は苦労しましたね。当社を立ち上げた頃、200万枚のチラシをポスティングしたのですが、3件しか問い合わせがなかったんです。潜在需要はあったものの、「お金を払ってパソコンを修理する」という文化がなかったのでしょう。

 もしテレビCMに資本投下していれば、潜在需要を顕在化できたかもしれません。しかし、創業期の当社にそんな大金はない。そこで戦略を転換し、法人営業をスタートしました。個人の問い合わせが集まる企業に対して、OEMで当社のサービスを提供したんです。

著名経営者

  • 株式会社セプテーニ・ホールディングス

    七村 守
  • 株式会社スタジオジブリ

    鈴木 敏夫
  • 楽天株式会社

    三木谷 浩史
  • 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル)

    羽鳥 兼市
  • エステー株式会社

    鈴木 喬
  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿

プロフィール

  • お名前家喜 信行
  • お名前(ふりがな)いえき のぶゆき
  • 出身兵庫県
  • 身長180cm
  • 体重70kg
  • 血液型A型
  • 趣味ゴルフ
  • おススメ本『人を動かす人になれ』
  • 家族妻、息子、娘
  • 座右の銘晴天を誉めるには、晩天を待て
  • 好きな食べ物ハンバーグ、カレー、鉄板焼
  • 出身校桃山学院大学