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ニッポンの社長 >  子どもの未来を応援するニッポンの大人たち  > 新教育総合研究会株式会社 代表取締役社長 福盛 訓之

― なるほど。そして、その時の思いをもとに、大学入学後すぐに塾の講師として働き始めたわけですね。

 はい。大学入学後、すぐに塾講師のアルバイトを始めました。私が経験したように多くの子供たちの成績を伸ばしたいと思い、週に計6日間、大手塾と個人塾などで働いていたんです。ここで私は、愕然とする事実に遭遇しました。この事実が私が起業した理由になったんです。

 私が働いていた大手の塾では「オリジナル教材の使用」を謳っていても、実際には既製の教材が使われていました。また、「高い教育の質」を謳っていても、学生アルバイトである講師たちに、講師向けの研修さえ受けさせていなかった。“教える”ということの基礎すら身につけさせていないわけです。つまり、実質のともなわない羊頭狗肉な誇大広告がひとり歩きをし、実体がともなっていなかった。私は、「これではいけない。子供たちはもちろん、ひいては日本の将来のためにならない!」という義憤を感じました。これが18歳で「理想の塾をつくろう」と思い立ち、19歳で起業したきっかけです。

 お金もノウハウもありませんでしたが、アルバイトで貯めた約50万円を元手に、家賃4万5千円で6坪のオフィスを借りました。机や椅子は、廃業したソロバン塾から譲り受けたものを使用。そして、宣伝のための新聞用折り込みチラシを見よう見まねで作ったのです。こうして手作りで開塾すると、3名の生徒が入塾してくれました。個別指導教室の経営者として、私の人生がスタートしたのです。1993年3月、大学2年生になる前の春休みのことでした。

― ゼロから塾経営をスタートしたわけですね。起業後は順調だったのでしょうか。

 最初は苦労しましたね。中でも、私自身が講師兼経営者として、初めて担当した中学三年生の生徒が一番苦労しました。この生徒は5教科で500点満点のテストの合計が50点未満。それを最初に聞いた時は、耳を疑いました。全教科の平均点が一ケタの点数しか取れていなかったんです。

 人は誰しも、大なり小なり成功体験を持っています。子供であれば、“練習のおかげで、逆上がりができるようになった”というようなものです。この成功体験があればこそ、人は「やればできる」という自信を抱くようになる。また、だからこそ「また挑戦しよう」という意欲も生まれるわけです。

 しかし、この生徒には、このような成功体験がなかった。だから、勉強をやる気がなく、宿題も全然やってきてくれませんでした。そこで、私はこの生徒にやる気を出してもらうため、まず成功体験を積ませようと考えました。何をしたかと言うと、中学校三年生のテストと偽って、中学校二年生のテストを受けさせたんです。しかし、結果は失敗。この生徒には難しすぎて、10点も取れませんでした。

 そこで私は、この生徒には内緒で少しずつテストのレベルを下げていき、最終的には小学三年生向けのテストを受けさせました。すると、そのテストで生まれてはじめての80点を取った。「やればできる」という成功体験をはじめて味わったわけです。この生徒はその体験が心から嬉しかったのでしょう。やる気も自信もなかった彼が、自ら率先して勉強するようになりました。結果として、この生徒は中学三年の1年間の勉強で志望校に合格することができました。入塾前にはおおよそ合格圏内にはなかった公立高校に受かったんです。

― 人は成功体験によって自信を持つことができ、やる気にもなれるのですね。

 そうですね。また、この経験は講師である私にとっても、非常に大きかったですね。彼の“成功”を通じて、生徒のやる気を引き出し、成績を飛躍的に伸ばす指導ノウハウを確立させることができたんです。

 ですから、その後は確立した指導ノウハウをもとに、どんな生徒でも成績アップを実現できるようになりました。すると、クチコミで徐々に生徒数が増え続け、創業3年目には生徒数が200名になりました。その後、生徒数はさらに増え、地域の中学校の生徒の4分の1を占める500名に。この時、学校内の成績優秀者の1~7位はすべて当社の塾生でした。また京大などの難関大学への合格者も出せるようになりました。

― わずか数年で地元でも有数の個別指導塾に成長したわけですね。

 ええ。そして私としては、この高い教育の質を維持しながら、校舎数を増やしていきたいと考えていました。そこで、27歳の時、徹底的に経営ノウハウを学ぶことにしました。企業経営者として、いちど経営について深く勉強してみようと思ったんです。

 私は27~30歳のあいだ、北海道から沖縄までありとあらゆる塾を見学し、数々の経営者に話を聞きました。また、勉強会や経営者セミナー、異業種交流会などにも多数出席。ここではさまざまな業界の経営者に会い、事業拡大の手法、人事・組織マネジメントなどについて聞きました。気がつけば、3年間で3,000万円を投資し、手元には1,000人分の名刺が残っていたほどです。さらに、3年間のうちに経営関係の書籍800冊を読破。経営についてのありとあらゆる知識をインプットしたのです。すると、ほどなくして、この3年間で学んだ経営にまつわる知識が、ある時ふと閃いたように自分の中で腹に落ちました。塾経営において大事なことが見えてきたのです。

著名経営者

  • 澤田ホールディングス株式会社

    澤田 秀雄
  • GMOインターネット株式会社

    熊谷 正寿
  • 日清食品株式会社

    安藤 百福
  • 株式会社ディー・エヌ・エー

    南場 智子
  • 株式会社大戸屋

    三森 久実
  • 株式会社セプテーニ・ホールディングス

    七村 守

プロフィール

  • お名前福盛 訓之
  • お名前(ふりがな)ふくもり としゆき
  • 出身大阪府
  • 身長166cm
  • 平均睡眠時間7時間
  • 趣味奉仕活動、宝塚歌劇鑑賞、相撲観戦 乗馬、茶道、 旅行、グルメ、読書 ボンボニエール収集、 神社仏閣巡り 御朱印集め、歴史研究
  • おススメ本歴史関連の本
  • 購読雑誌経済誌など
  • 今までに訪れた国20ヵ国
  • 座右の銘強烈な願望を持ち続ける・誰にも負けない努力をする
  • 尊敬する経営者稲盛和夫
  • 嫌いな食べ物特になし
  • 好きな作家司馬遼太郎