― まず御社の事業内容を教えてください。

　当社は医療分野のソフト開発を得意とするITベンダーです。大きく分けて、3つの事業を展開しています。

　1つ目は医療分野を中心としたソフトウェア事業。具体的には、医療用画像管理システムや病院情報システムなどを開発しています。当社は大手医療機器メーカーから開発案件を直接受託しており、上流工程から下流工程まで一気通貫で携わっているのが特徴です。また医療分野のソフト開発には最先端の技術が要求されますので、その先端技術を他の分野にも応用できるのではないかと私は期待しています。

　そして2つ目がメディカル事業。具体的には、医療施設のシステムインフラの構築など、ハードも含めたシステム導入コンサルティングなどを行っています。またメディカル事業のサービスメニューは、IT分野だけに留まりません。医療機器の認証サポートなど薬事法関連のコンサルティングや、※ISO認証取得のコンサルティングも行っています。医療ビジネスのコンサルティングには未開拓の分野が多いので、今後の成長性も見込めると思います。実際、すでに海外の医療機器メーカーと共同で新規プロジェクトを進めています。

　最後の3つ目が2010年にスタートしたエコ事業です。具体的には、LED照明、リチウムポリマーバッテリーなどのエコ商材をご提案することで、クライアント企業様のコスト削減を実現するとともに、2012年7月から始まるFIT(再生エネルギーの全量買取り制度)に向けて、メガソーラー用のアルミソーラー架台を提供するなど、社会全体の省エネ、節電に貢献したいと考えております。とくに、アルミソーラー架台は、東日本大震災で停電した最中でも、このシステムのおかげで病院は電源を確保し、多くの命を救った事例が報告されています。このように、エコ事業は社会貢献度の高い事業ですので、3年で事業基盤を確立し、ソフトウェア事業に並ぶ当社の事業の柱とすることを計画しています。

― 御社の強みは何ですか？

　医療分野に特化した高度な技術力です。特に「画像処理」と「通信規格の相互接続性」の分野において、国内トップレベルの技術力を誇っていると自負しています。

　現在、病院などで導入済の医療機器などは通信規格の標準化に従った情報システムの連携が進んでおらず、異なるメーカーの医療機器の間で病院情報データをやり取りすることができません。当社はそれを解決する技術を提供しています。簡潔に言えば、それぞれの医療機器を標準化した通信規格と情報データに変換して、ひとつのネットワーク上でつなぐ技術です。

　また、医療情報システムの情報連携を目指す日本IHE協会の活動も当社がサポートしています。当社の役割は、システム間の相互接続性の検証作業と検証ツールの開発。つまり、通信技術のジャッジができる会社だと業界から認められたわけです。

　さらに、当社は新技術の開発にも積極的に取り組んでいます。昨年には医療画像のビューアーソフトを開発しました。このソフトには画像の3次元処理技術や「睡眠時無呼吸症候群」向けの計測機能など、当社の得意とする技術をすべて盛り込んでいます。このソフト開発で先端技術への当社の関与が認められ、東京都から助成金の交付も受けることができました。

※ISO：工業標準の策定を目的とする国際機関、およびISOが認定する品質や環境に関するマネジメントシステムのこと。