― 御社の事業内容を教えてください。

　主に中小企業のお客様に対して、税理士に認められた業務である税務代理、税務書類の作成、税務相談、会計業務を行っています。また昨今の税理士事務所に対するニーズの広がりに応じて、税務相談から派生する経営相談など、企業へのコンサルティング業務を行うことも多くなっています。

― 御社がお客様から支持を集めている強みについて教えてください。

　大きく2つが挙げられると思います。1つは、会計を非常に重視している点。2つめが、お客様のニーズを正しく捉えるためにヒアリングを徹底している点です。綿密なコミュニケーションをもとにお客様の事業内容を徹底して理解し、事業の実情に合わせた適正な会計処理・税務処理方針、経理方針を決定していきます。

― 1つめの「会計を重視する」とは具体的にどういうことなのですか？

　会計は、経済的な情報を識別し、測定し、伝達するプロセスです。そして会計の目的は、一般的には投資家や債権者などのための適正な経営成績と財政状態の開示でありますが、当事務所では第一に経営者の為の適正な数値の開示としています。計数値を経営者は常に知っておかなくてはなりません。税務処理を適切に行うことは税理士の主たる業務ですが、企業の経営状態についての的確なアドバイスを行うための会計業務に強くなければ、会計事務所はお客様が求める役割を果たせないと考えています。お客様の経営の実態に出来るだけ近づくよう適切な会計処理をし、経営者の経営判断に役に立つよう心がけています。

― 会計に強いことが、顧客である企業にはどんなメリットにつながるのでしょうか。

　たとえば会計を月次できちんと締めることで、経営課題が明確になり、改善のための施策が講じやすくなります。当事務所では、お客様には原則として毎月の訪問による記帳と経理の指導を行い、月次試算表の作成と月次決算の報告を行います。

　まず、月次決算の報告の際には、当期と前期・前々期との比較をグラフを使って分かりやすく説明し、売上高や粗利益額の改善や経費の削減などについて話を詰めていきます。またキャッシュフロー計算書を使って、その月と年間のキャッシュフローの説明をしています。そして資金面からみた貸借対照表を前年同月のものと比較することで、この1年間の現金の流れを把握しています。売掛金と買掛金等のサイトのバランス、在庫・固定資産と長期借入金・資本金等のバランス、累積利益若しくは累積損失の実態、その他短期的な資産と負債のバランスの観点から、お客様と一緒に資金の改善案を検討するようにしています。この4つの観点から数値を捉えると、何かしらの問題点が見つかることが多いですね。キャッシュの流れがなぜ良いのかあるいはなぜ苦しいのかが明確になり、資金と損益の両面での改善策が明らかになります。その前提として、まずは月次試算表を作成して月次決算処理を行うことが重要なのです。

　このように会計を強くすることで色々な角度から会社の状態を分析をすることができるようになり、その結果、より良い次なる策を打てることになります。

― 2つめの「顧客とのヒアリングを徹底している」のはどんな目的からですか？

　お客様の事業内容を深く理解しないことには、適切な会計処理や税務処理はできないとの思いからです。事業内容と経理内容の把握を綿密なコミュニケーションのもとで行って初めて適切な会計処理に繋がります。特に初めてのお客様との打合せにおいてはかなりの時間を費やして事業内容等の把握に努めています。綿密な打合せをしたことから、締結済みの契約の問題点が明るみになって改善に繋がったことも時々あります。お客様とのコミュニケーションの内容の深さが毎月の月次決算報告にも生かされてきます。