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ニッポンの社長 > インタビュー > 世の中に独自の価値を提供する社長 > 株式会社ワールドパーティー 代表取締役 中村 俊也

― 現在、新しい領域へも力を入れておられますが、詳しく教えてください。

 当社では、2015年に「アンヌレラ」という優れた撥水生地を使った傘をプロデュースしました。これは、それまでの「レイングッズをファッションに」というデザイン重視の理想からもう少し飛躍してライフスタイルにコミットするべく、製造プロセスから提案できる商品を作りたいと思って出した商品です。こういった傘は昔から無かった訳ではありませんでしたが、僕達は「そもそもなぜ撥水傘が必要なのか?」という逆説的な発想から考え直しました。傘が濡れなければ、「ストレスを減らして社会への配慮もできる」という付加価値を生みます。僕達は、その裏付けとしてトップレベルの撥水技術を求めた結果、世界的ファブリックメーカーの小松精練さんと生地からの共同開発を実現しました。そして、地道な研究を繰り返した末にやっと今の生地にたどりつき、お陰様でアンヌレラは既存品よりも高価なのにも関わらず、マスコミにも注目していただき、楽天でも売上ランキングの1位を何度も獲得できるまでになりました。

― 最近では音楽イベントへ協賛されていますが、どんな狙いがあるのでしょうか?

 野外フェスのことですね。5年前に、アウトドアと言いますが、外で遊ぶ時のレイングッズというテーマで、「kiU」というブランドを立ち上げました。社内的にもっとワクワクすることをしたかった時でした。それでこのブランドをいち早く広げていくにはどうすればいいだろうと考えた時、自分たちもよく遊びに行っていた、いわゆる当時夏フェスと言われていた野外フェスでした。当時「夏フェスはすでに、一部の音楽好きだけではなく誰でも参加できるイベントになっている」と。実際に、今では春から秋にかけては毎週どこかで野外フェスが開催されてますからね。当然、野外フェスは雨に降られることもありますが、本格的なハイスペックのレインギアは値段が高いし、若い人が集まるフェスでは、雨が降るとコンビニの使い捨てのレインコートを着てる人も多く、もっと気軽に買えて、しかも雨の時にテンションが上がるようなレインウェアがあればいいなという発想で、値段が手頃で個性的なオシャレができるバリエーション豊富なレインポンチョをメインに考えました。

 当社の社員もライブやフェスによく行っていたので、まさにここに注目すればみんなが一番楽しめてこのブランドを成長させていけるのではないかと考えました。そこで、5年前のブランド立ち上げ当初から現在まで、毎年フジロックへ参加して自社製品を着用して確かめて、ユーザーさんとコミュニケーションをとって、毎年改良を積み重ねています。まだ今年のシーズンはこれからですけど、もう来年の改良版の試作を繰り返しているところです。笑

著名経営者

  • 楽天株式会社

    三木谷 浩史
  • テンプスタッフ株式会社

    篠原 欣子
  • 株式会社IDOM(旧:株式会社ガリバーインターナショナル)

    羽鳥 兼市
  • シダックス株式会社

    志太 勤
  • 株式会社セプテーニ・ホールディングス

    七村 守
  • 株式会社スタジオジブリ

    鈴木 敏夫

プロフィール

  • お名前中村 俊也
  • お名前(ふりがな)なかむら としや