― 営業支援、組織支援を行ううえで、他社との差別化ポイントはどこにあるのでしょう。

　ひとつには、研修に対する意識があると思います。私自身、会社員だった頃に何度も研修を受けた経験がありますが、「実際の現場で役に立つのだろうか」と感じることがありました。経営者のなかにも、研修を行なっているものの、それがコストに見合う成果をあげているのか、疑問を抱く方も大勢います。そうした状況を変える新しいサービスを提案しようというのが、起業の動機になっています。

　一般的な研修は、あらかじめ内容と期間を決め、最後にアンケートを回収して終わりですが、当社は一歩踏み込み、研修がその後の成果につながっているのかまで徹底フォローする。これは特別ではなく当然のことで、クライアントは研修費をコストとしてかけるのですから、それに見合うだけのリターンがなければ、本来は意味がないものです。

　そこで当社は、クライアントの経営層ともじっくりお話させていただき、組織、文化、社風、扱う商材やサービスに合わせて内容をカスタマイズしていきます。そして、必要であれば現場に同行しての営業支援も行なう。投資額に見合った成果、リターンに徹底的にこだわるところが大きな特徴だと思います。

― これは驚いたのですが、一定期間内に満足いただけない場合は「全額返金」も打ち出していらっしゃいますね。

　研修には点数をつけてもらいますが、事前に話し合い、決めておいた基準を超えなければ、つまり満足度が低ければ返金します。満足が得られなければ、その研修は時間とお金の無駄になるわけですから、当然ではないでしょうか。また、「全額返金」には「当社はそこまで本気に、深く入り込んでコンサルティングを行います」という意志表示の意味も込めてあります。研修というのは、講師が一方的にレクチャーするものではなく、講師と受講者が共通の課題認識を持ち、本気でぶつかり、つくりあげていくもの。私はそう思います。こちらもリスクを取ることを意思表示し、クライアントにも、受講者にも本気になってもらう。それが、組織改革のための第一歩です。

　当社のモットーは、「コンサルタントの仕事は、クライアントを楽にすることではない。クライアントを本気にさせることで得られる成果（結果）を導き出すことである」。表面的、机上理論的な支援ではなく、クライアントの課題解決、営業組織の改革に、具体的かつ本気で向き合う姿勢をここに込めたつもりです。

― 組織を構成する個人の意識を重視するのも、御社の特徴だと思います。

　営業はどうしても属人化しやすい職場ですが、私自身、トップセールスパーソンとして組織で働いているときは、「100人の兵隊よりも1人のランボーがいればいい」が持論でした（笑）。ただ1馬力ではやはり限界があり、会社にとっても好ましい状況ではありません。個人が自分自身を意識づけし、意欲をもちつづけるのは限界があります。

　そこで、個人の力を引き出すため、個人の夢と会社のビジョンを一致させることの重要性に注目しました。結局、個人の夢まで落とし込まないと、組織としての成果も出せないからです。

　さらに、ある程度のレベルまでは個人の力を標準化できる仕組みが必要だと考えたことが、コンサルタントの原点です。研修や現場での実地支援を通じて、あるレベルまで引き上げることは可能ですが、問題はその先。標準点を超えてさらに成長するには、個人の強い意欲が必要になります。