― これからの企業理念についてはどのようにお考えですか。

　これまで掲げてきた、「都市型ライフスタイルの創造」という理念をさらに具体化させて、「東京ワンルームで未来のシアワセを実現する」という思いを、社員が追求する当社の目標として掲げていきます。それを事業理念としてこれからいっそう明確にしていきたいと思っているんです。

　未来のシアワセという意味の一つには、老後への安心感を提供することがあります。日本はすでに高齢化社会に突入して、これからは3人で1人のお年寄りを養わなくてはいけない時代がやってきます。年金制度が不安視される中で必要になってくるのは、将来の備えに対する新たな自己防衛なのです。

　少子高齢化、つまり人口減少が進めば進むほど、人の流れは一極集中しやすい状況が生まれます。やがて東京は世界の主要都市同様に単身者がどんどん増えていくわけです。ワンルームマンションはそうした需要に応える物件として今後のニーズがさらに高まると予想しています。将来に対するリスクヘッジ、つまり未来の幸せを実現するために、ワンルームマンションを資産形成に使うことは、非常に現実的な方法ということになるわけです。たとえば1軒で7万円のプラスαとなる「家賃年金」による老後の収入。2軒であれば当然倍の14万円が得られる訳です。地に足の着いた投資で、未来の幸せを築いてほしいという提案なのです。

― 最後に御社の今後のビジョンを教えてください。

　当社は2020年までにグループ企業を5社つくることを目標にしています。グループマネジメントによって、景気変動に強くなる企業にすることが主な目標です。現在、入居者保証事業を行う別会社も業績好調で、近々賃貸管理部門は別法人にして新たに立ち上げる予定があり、計5社によるグループとなります。

　理想をいえば、コンツェルンという企業形態、いわば財閥の姿です。たとえば三菱や三井、住友のいずれも、アセットコンサルティング、プロパティマネジメントやビルマネジメントといった複数の事業を展開しています。20年前のバブル崩壊、そして3年前のリーマン・ショックで相当数の不動産会社が倒産しましたが、財閥系の会社だけは見事に残りました。軸のブレない多角経営による基盤の強固さが、景気変動に左右されない強い会社を作り上げているわけです。私はそれを「総合不動産共同体」と呼んでいますが、そうした姿を目指して、まずは5社、不動産関連のグループ会社を2020年までの間に構築したいと考えています。

　住空間は、言うまでもなく人々の生活の中心です。仕事をする上でも、家庭をつくるにも、常に住まいは大切な基盤なのです。人生の中心に位置付けられる大事な一部分を担う事業だという思いで、これからも成長を続けたいと思っています。